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SHORTで、俺。  作者: SIN
小学校 高学年

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女子トイレ

 普通なら男子生徒が女子トイレに入るとどうなるだろう?

 痴漢扱いされたり、先生に怒られたり、反省文だって原稿用紙に3枚分は書かされるだろう。しかし、何事にも例外というのは存在していた。

 自称霊能力者である三浦(仮名)だけ女子トイレの入室を許されていた。その理由はあの全国的に有名人である花子さんの存在があったからだ。

 小学6年の頃、女子トイレに花子さんが出ると言う噂が広がり、何人かの女子生徒が実際に誰もいないのにノック音を聞いたと騒いでいたのだ。

 そんな背景から三浦は度々女子に連れ出されてトイレに入っていた。

 そんなある日、

 「うわぁああああ」

 とんでもない悲鳴が聞こえてきた。

 向かった先は女子トイレの中。

 三浦の叫び声とは別に女子の泣き声も聞こえる。

 何が起こったのかは分からないが、その騒然とした雰囲気に見ていた何人かの女子も涙目になっている。

 「アカン、今日はホンマにアカン!」

 三浦は個室のドアを押さえながら叫び、その個室の中から聞こえて来る鳴き声は更に大きくなった。

 微妙に濡れているトイレの床に尻餅をついている三浦。

 普通の状態なら絶対に直接は座りたくないトイレの床に座っている、それだけで尋常じゃない事が分かるのだが、何が起きているのかはサッパリ分からない。

 「あんたら何してんの!出なさい!!」

 騒ぎを聞きつけて来た担任により男子は全員トイレから追い出され、そうすると三浦も正気を取り戻したのか濡れたズボンを見て「あーあ」と声を出している。

 そして出て来た女子は涙を拭い、しゃくりあげながらこう言った。

 「戸が開かへんかってん」

 トイレで何が起きていたのかは分からないが、女子が泣いていた理由は三浦が押さえていた事により開かなかったドアのせいと言う事が分かった。

 それからも時々トイレに連れ込まれていた三浦だが、徐々に花子さんの噂もなくなり、後に残ったのは「三浦、実はペテン師説」だった。

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