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制服のズボン
幼稚園は制服だった。
シャツを着て、半ズボンをはいてから上着。外に出る直前に帽子を被るという流れで制服を着ていた。
ある日、雨が降っていたせいでズボンが乾いておらず、母がズボンを乾燥機に入れ、先に上着を着なさいと言ってきた。
背の低い俺が上着を着ると裾はひざ下にまで達し、その長さは半ズボンよりも長い。
そう、お察しの通りズボンをはき忘れたまま登園してしまったのだ。
やけにスースーするな、と言う感覚もなく、至って普通に登園した俺は、上着を脱ぐまでその事に気が付かなかった。
幼稚園児ながらにもパンツ姿を恥ずかしいと感じたのだろう、急いで上着を着た俺は走って母の姿を探し、先生と立ち話をしていた母を見付けると変質者の如く上着の前をガッと開いてパンツ姿を見せた。
「ズボン忘れとるやないかぁ!」
の言葉と同時に頭を叩かれたのだが、急いでズボンを取りに行ってくれた母。しかしそのズボンはまだ半渇きで、はくと冷たかった。




