健康診断
健康診断の日、レントゲンを撮るからと言う事で俺は機械の前に立っていた。
特に緊張もなく、かなり自然体で望んだ健康診断だったが、俺はそのレントゲンで見事に再検査をしろとの通知をもらう事となってしまった。
母に連れられてやってきた病院。
レントゲンを撮り直すだけだと思っていたのだが、それだけでは終わらず血液検査もする事に。
プスッ。
「あれ?」
プスッ
「ん~」
腕に何箇所か穴を開けられ、その度に首を捻る看護師。
血管はちゃんと見えていたし、しっかりと浮き上がっていたと言うのに、失敗を繰り返す看護師。
物凄く痛かった事だけはハッキリと覚えていて、今も続く注射嫌いの原因の1つになっている。
こうして散々な目に遭って血液を抜かれたのだが、その結果を聞きに再び病院を訪れた時、医師は母にこう言った。
「ん~~~、まぁ、これ位なら大丈夫でしょう」
何がどうなって再検査となったのか、なにがどうなって大丈夫なのか、その説明はなかったのだ。
そしてそれから1年程、小学6年となった俺はまたレントゲン検査で再検査を受けろとの通知を貰った。
もちろん、行っていない。




