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花束
天気の良い、かなり清々しい気候の日の朝。
登校した俺の机の上には綺麗に束ねられた雑草が置かれていた。
これはなんだろう?
手に持って色んな角度から眺めるが、花束のようにされた雑草である。
お金がないから雑草で花束を作った?にしたって何故俺の机の上に?
誰かと間違ったのだろう。
花束を数分眺めてそう結論付け、後ろの棚の上に置きに行ったのだが、1時間目が終わってからの休憩時間、トイレに行って戻って来ると、また俺の机の上に朝の花束が置かれていた。
人違いじゃなく、誰かが俺に花をくれたのか!
実際には雑草だったのだが、こうやってわざわざ束にしてくれた労力と、何かをプレゼントしようと思ってもらえた事が嬉しかった俺は、2時間目からはズット机の上にその花束を乗せていた。
授業中に聞こえて来る笑い声の意味を知ったのは、放課後になってからだった。




