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SHORTで、俺。  作者: SIN
小学校 高学年

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ダイエットの薬

 夜になると愚図る子供だった俺は、母からプレゼントとして疳の虫に効く薬を手渡される程だった。

 今でもその薬の味が思い出せるのだから相当飲んでいたんだろうと思う。

 そんな訳で子供の頃から薬に頼っていた俺は、薬に対する恐怖心が全くなかった。

 ちょっと腹が痛いからと薬を飲み、ちょっと風邪っぽいからと薬を飲み、ちょっと頭か痛いかも?で薬を飲み。

 そんなある日の事、姉がダイエットを始めた。

 それまでにもリンゴダイエット、パイナップルダイエットと色々やっていたのだが、その時ばかりはかなり本格的に取り組んでいた。

 通信販売で2万もする教材と薬を買う位本気だったのだ。

 しかし、そんな熱意があろうとも3日で止めてしまえるのが姉の凄い所でもある。粗大ゴミと化した教材。

 勿体無いので読んでみると、自分を甘やかしては駄目だと言う事と、日々の積み重ねが大事だと言う事が書かれてあった。それでどうして薬になるのかは良く分からないが、要するに毎日薬を飲む事が大事だと言いたいんだろうと解釈した俺は、その日から毎日薬を飲んだ。

 その薬は1日に何回と言う物ではなく、何かを食べる前に必ず飲むと言う物だったので朝食と夕食、そして給食の前にもトイレでコッソリと薬を飲んでいた。

 俺の中でその薬がダイエットの薬である事はどうでも良い事で、姉が挫折した3日以上薬を飲めたら俺の勝ち。そんなテンションだった。

 こうして1週間は経っただろうか、薬の大きさで飲み込む時に喉が痛み始めて来たのを切欠に薬を止めたのだが、一向に喉の痛みが引かない。それを風邪だと判断した俺は家にあった風邪薬を飲み、翌朝体中に蕁麻疹を出した。

 もし、これから激太りするような事があったとしても、ダイエットの薬だけは飲まないと心に誓った出来事となった。

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