クラブ
小学校の5年から、体育の授業とは別にクラブと言う授業があった。
5.6年が合同でクラブ活動をするのだが、別に運動部だけじゃなく、文科系もあった。のにだ、俺はなにをどう血迷ったのかバスケ部を選んだ。
某有名バスケ漫画を読んで憧れたとか、モテそうとか、そんな理由ではないし、親しい友達がいなかったのだから誘われた訳でもない。
なら何故なのか。
バスケをすると身長が伸びると聞いたからだ!
クラブの授業は5時間目と6時間目ぶっ通しで行われるので、準備運動のボリュームも凄まじかった。
体育の授業なら持久走と呼んでも過言ではない距離をただの準備運動として走らされ、ドリブル練習にシュート練習。
体力など残っていないので、当然ボールはゴールに届かない。
スカッとゴールの遥か下に飛んで行ったボールは壁に向かって一直線。そのボールを拾いに走って向かい、体力はマイナスになって行くのである。
「大丈夫か?ちょっと休憩しとき」
そんな俺に同じクラブの面々や顧問の先生は非常に寛大で、6年になってもバスケ部を選んだ。
2年間バスケを続ければ多少は上達し、ゴール下までボールを運ぶ事が出来るように。
ササッと相手チームを抜くのは非常に気持ちが良い。
しかし、
スカッ。
ゴールが決まらないのは相変わらずなのである。




