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SHORTで、俺。  作者: SIN
小学校 中学年

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自転車遊び

 学校では絵を描いたり本を読んだりしていたので、外に出て遊ぶ事は少なかった。しかし、放課後になると話は違ってくる。

 真っ直ぐ家に帰って、思う存分絵を描いたり、本読んだり。そんな物静かには過ごしていなかった。

 自転車に飛び乗り、遊びに出かけるのだ。

 目的地は特にない。

 フラフラと自転車を走らせているだけ。

 真っ直ぐに行って行き止まりを右に、また真っ直ぐ行って、行き止まりを右に。と、何処までも突き進む。

 帰りは突き当たりを左に行けば良い。と、本当に思っていたアフォである。

 ここは何処だろうか?

 そうなってから始めに目についた自転車に乗っている人の後ろを着いていき、その人に飽きたらまた別の人の後ろを着いていく。

 こうして完全に道に迷ってから始まる、ちゃんと家に帰られるのかゲーム。

 酷い時は潮の香り漂う場所にまで行ってしまうと言うケタ外れの迷い方をしているので、完全に校区外。バレたら間違いなく怒られてしまうだろうが、その「悪い事をしている」と言う高揚感もあって、かなり楽しかった。

 因みに、俺の住んでいる所から潮の香り漂う場所に行こうとしたら、電車を使っても1時間はかかってしまう。そんな距離を自転車で、しかも小学生が移動しているというのだから、運動量は多い方に入るだろう。

 最寄り駅の駅名から数駅分の名前しか知らないので、案内板などがあっても良く分からない。

 キィ。

 一旦自転車を止め「ただいまよりーゲームを始めます」的なナレーションを頭の中で言ってからスタート。

 特に時間制限は決めていなかったが、太陽が沈むまでに帰れなかった時は完全に方向を見失ってしまうので、日没まで。

 空を見上げて太陽の位置を確認して時間を確認。そして頭に思い描くのは、その時間、家の窓から見上げる太陽の位置。

 家の駐車場側にある窓は東側にあって、ベランダは西側。午後に見上げる太陽は家から見て西側になる。だから反対の方角に行けば家がある。

 そんなザックリとした感覚で自転車を走らせ、なんとなくこっちが近道な気がすると道を曲がり、全く見覚えも何もない道をクネクネと進む。

 自信を持って進んでいるからといって、正解の道を進んでいるとは限らないのだが、家に帰れなかった事は1度もない。

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