いるか いらんか
いるかいらんかジャンケン、と言うのをご存知だろうか。
大体遊び会などで繰り広げられる軽い拷問である。
放課後にある半強制参加の遊び会で、2チームに分かれて、例えばドッジボールをしようと言う事になったとしよう。
体育の授業ならば「グーパー」でチーム分けをする所、遊び会なら代表2人がジャンケンをして、勝った方が欲しい人材を指名出来ると言うシステムになっていた。
当然最後の方に残るのは運動が苦手な生徒のみである。
ここで行われるのが「いるかいらんかジャンケン」なのだ。
「次、木場」
と指名され、代表2人が
「い~るかい~らんかジャ~ンケンホイッ」
と、楽しげにジャンケン。勝った方は俺をチームに入れなくて良いと言う権利を獲得するのだ。
「うわ~最悪や~木場なんかいらんわ~」
代表は言いたい放題である。
俺は昼休み中に教室で絵を描いているような児童であり、先生に外に出なさいと怒られて運動場にある朝礼台の上で絵かきを続行するような児童であった。
半強制であるから参加しているが心から遊び会を楽しもうと言う気はさらさらなく、頭の中では常に「早く帰りたい」と思っていた。
なので、
「やる気ないなら帰れ!」
とか大声で言われると、喜んで帰った。




