第6話 女子と体育館裏で
体育館裏で中学から仲の良い女子に呼び出された
これだけ聞いたら俺を嫉妬する物が現れるだろう
ただそんな甘酸っぱい物じゃないものと認識してもらいたい
「一回話を聞いて見ないか?きっと勘違いしている事もあると思うんだ」
「アンタをボコボコにしてからならいくらでの話を聞いてやるよ」
食い下がる気はなさそうだな
覚悟を決めるしかないか
「最小限の魔力補助はできるがあとは少年次第だ」
「分かった、やってみる」
瞬きをしたその時
茶々が俺の目に前に瞬間移動をしたかのように現れて見せた
そのまま俺の腹に手を刺しにきた
「っっっ」
間一髪でその攻撃を避け
人生初の魔力での攻撃を試みた
特殊なオーラのような物が腕を包む
それを彼女に向けて放つ
一帯を大きな衝撃波が放たれる
「痛っ」
でもこのくらいなら
ただ目の前には茶々の姿はなかった
「こっちだよ」
背中を引き裂かれたような痛み
そのまま吹き飛ばされる
「【固有魔術:獣鎧】」
「なんだよそれ、ずっる」
「そんなこと小言言ってられるのも今の内だよ」
いまの茶々は魔力を鎧のように着込んでいる
腕にはの大きな動物の爪のような武器
頭の上には猫耳のような物
そして尻尾がある
「人倒す時もお洒落したいもんなの女子は?」
「うっさい」
2回目の突進攻撃
だけど今回はちゃんと魔力で防御を
「単純なんだよ、アンタは」
そう言うと
茶々は綺麗に俺の横に回り込み
俺に追撃を決めた
それは近くの木に叩きつけられるほどの威力
「少年、この際入れ替わった方が死ぬよりもマシな」
「待っててくれよ」
ただこんな中興奮している自分がいる
体の内から湧き上がるこのなにかを掴もうとしている
「茶々、最後にひとつだけ教えてくれよ」
茶々は何も言わずにこちらを見続ける
「固有魔術を使うには魔形っていうキーアイテムみたいなんが必要なんだろ」
「そうだ、アタシの場合はこのチョーカーだったな」
「んで、それがなんだよ」
茶々が再び攻撃体制を整える
「じゃあよぉ、世紀の大魔術師さんが直々に作った心臓とかがあったら信じられない魔法が使えそうだよな」
「さっきからアンタは何を言っているんだ?」
体の内側から力が湧き上がってくる
この力の使い方は感覚でわかる
「茶々、もし一回でもお前を壁に追いやれたら話を聞いてくれないかな?」
「やれるもんならやってみろよ」
ただ今は思い通りにぶちかませばいい
体から溢れる力を全身で感じろ
魔術のイメージを掴むんだ
鬼神のように風を起こすんだ
嵐を起こせ
「【固有魔術:春嵐】」
全身から腕へと力が移って行く
そして腕から外へと突風が吹き荒れる
桜が雨のように吹き乱れ
砂埃が舞い続ける
今にも自分が吹き飛ばされそうになるがただ堪えて
やがて突風は茶々を吹き飛ばし壁側へと追いやった
茶々は驚いたような顔をしている
一発食わせてやって見たいで気分がいい
今にも倒れそうな足を全身全霊茶々の方へと動かす
「じゃあ、約束通り話を聞いてきれよな」
「あーーわかったよ」
その言葉を聞いた途端俺は足の力が抜けて
そに場に座り込んでしまった
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「何?ガックーはつまり一回死んでからその鬼神ってやつのおかげで生き返ったって事!?」
「そういう事になるな」
「そういう事になるね」
俺と鬼神の説明を聞くとすんなり理解してくれた
「なんだよアタシの早とちりだったのかよ〜ごめんなよガックー」
「いいんだよ…いいんだけどさ」
心のモヤは早めに晴らしておきたい
「茶々って魔術師だったんだね」
聞いてしまった
他人のプライベートに踏み込んでしまった気分
あまりいい気はしない
「まーうん、そうだね7歳くらいの頃から魔術が使えるようになって…」
その途中で茶々は黙ってしまった
二人の間に沈黙ができる
この時間がおそらく人生で一番長く感じた
「秘密にしててごめんね」
「いやいいよ、俺もこんなになったら絶対秘密にするし」
「うん、ガックーは絶対誰にも言わなそう」
「なんだよそれ慰めてやってんだぞ俺は」
「ガックーが人の事慰めるって、天変地異じゃん」
「俺はお前からそんな風に見られてんのかよ」
「いやーなんか冷たいイメージあるよねガックーには」
「マジで失礼だからなそれ本当に」
「…まだ友達でいてくれる?」
「茶々が魔術師だって知ったときちょっと怖かったんだよね、今まで関わっていた友人が別人になちゃったみたいで」
「でも今話して茶々はやっぱり茶々だって思えた、茶々は俺の大切な友達だよ」
茶々はシュッと軽快に立ち上がった
「じゃー宿題手伝えよ、友達なんだからな」
「昼飯奢ってくれるならいいよ、あと魔術のこと教えて」
「昼飯はともかく魔術の事は教えてやるよこの茶々先輩がな!」




