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第零話 前世の記憶
世界には、
前世の記憶を持つ子どもが存在すると言われている。
都市伝説だと笑われることが多い。
だが、ときどき、
笑い話では済まされない例がある。
四歳の少年が描いた絵が、
行方不明者の家と一致した。
彼が口にした名前が、
かつて実在した人物のものだった。
大人たちは最初、
妄想だと思った。
けれど、
調べれば調べるほど、
偶然では片づけられない事実が増えていった。
前世の記憶が、
真実を暴いた事件が、
確かに存在した。
それでも、
それは「特別な例」だとされている。
なぜなら、
誰もが前世の記憶を持っていたら、
世界は、とっくに壊れているはずだからだ。




