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5、復縁はできるのか・占断4
私が伝えた内容に涙するものの、何とか落ち着いて聞いてくれている彼女に、とどめを刺してしまわないかと心配になりつつ、続ける。
「あなた自身も、恋愛感情は薄れているはずですよ」
私の言葉に、女性が「えっ」と小さく声を挙げる。
「金銭的なものとは限りませんが、損得勘定が働いていたはずです。
搾取されているという気持ちを、どこかで持っていたかもしれないですが、その実、あなた自身も何が必要かどうかというのを感覚的に選別していたのではありませんか」
心外なと憤ったのが、手に取るように分かった。
「彼、会えばデート代は全て出してくれるタイプのように思いますよ。
金額の大小は気にしない、そんな人なのでしょうね。
あなた自身は、金銭感覚がしっかりしているので、自分で買えそうにないものは、プレゼントで欲しいなと、心のどこかで考えてしまうこともあったのではありませんか」
ここにきて、彼女自身も、彼に対して損得勘定が働いているのが見えてきた。
これは…お互い様というところだろうか。