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明かされる
どのくらいそうしていただろうか。
意識が覚醒したのは、コンコン、と控えめにされたノック。
「いる?」
聞こえたのは梨花の声。ただし、いつもより声が低い。
一体どうしたのだろう。何でそんな声で訊いてくるのだろう。
先程まで混乱していた頭に冷ややかな声で呼びかけられる事に驚きながらのっそりと起き上がると、いきなりドアからドンドンドン! とノックする音が聞こえた。
「いるんでしょ!? さっさと開けなさいよ!!」
短気なのか段々とノックする強さが変わってくる。ドアの蝶番が外れるかと言わんばかりになり始めている。
壊されるのはたまったものじゃないのでのそのそとドアの前に移動してから開けたところ、ドアを殴る瞬間だったらしく、丁度僕の顔面を直撃した。
「ゲバブッ!!」
「あ、な、なんてタイミングが悪いのよ!?」
……それよりその短気を直してよ……ガクッ。
「……」
目を覚ます。意識が覚醒する。
見えたのは自分の部屋の天井。特に変わったところはない。
普通に体を起こした僕は、顔の痛みに手を抑えながら部屋を出ようとしたところ、梨花が部屋に入ってきた。




