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もう一度恋をはじめるまで

作者:晴後くもり
(完結済、全14話。)

2年前に恋人の智紀を亡くした私。失ったショックで昨年大学も中退した。

彼との思い出は一人暮らしには広すぎる六畳二間のアパートだけ。12万8000円の家賃を払うために、今は御茶ノ水にある『ゆうcafe』で働いている。

“先輩”の迫田さんや“幼馴染”のナツキとは機会がある度に食事を重ねているが、彼らに抱く感情は、智紀へのそれとはまったくの別物だ。早く忘れたいのに毎夜智紀の贋物が現れて私に話しかけてくる。

京都の実家では祖母の認知症が進んでいる。同じ話を何度も繰り返し、物忘れがひどくなっている姿を目の当たりにして、自分も同じように忘れられたらいいのにと思う。忘れたくないことはいずれ忘れてしまうのに、忘れたいことは簡単には忘れられないことがもどかしい。

ついに祖母が私のことを思い出せなくなった。このことをきっかけに、大きな不安に襲われる。周りの人々に忘れられる恐怖、周りの人々がいなくなることへの恐怖である。

ある朝、突然思い立って智紀が死んだ場所である鳥取へ向かう。勢いに任せて今月分の家賃を交通費に充てる。鳥取砂丘では、部屋中からかき集めた智紀の残滓を散らして、自分の気持ちに区切りをつける。

風邪をひいた時に無意識に選んだ通話相手はナツキだった。いま自分に必要な人が誰なのかを自覚する。ナツキは今年から就職で東京へ来る。智紀が死んでも、熱を出しても、私の人生は続いていく。
息を止める
2025/01/12 23:32
先週の帰省
2025/01/13 00:02
初詣
2025/01/13 07:08
無責任
2025/01/13 07:36
泊める
2025/01/13 08:27
露骨に/贋物
2025/01/13 09:10
あの日
2025/01/13 11:10
スイカゲーム
2025/01/13 12:46
砂丘へ
2025/01/13 13:45
風邪/各駅停車
2025/01/13 14:05
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