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第9話 地獄の鬼ごっこ

「おらおら走れ走れ~!」


「ひぃいい⁉」


 どばっ‼ ずどおおお‼


 後ろから、横から、前から。場所もタイミングも予測不可能な爆発が幾度となく襲いかかる。加減はしているのか至近距離で発生することはないが、それでも「もし爆発に巻き込まれたら」という恐怖心は常につきまとっている。


「はっ……はぁ……こんなの……無茶苦茶すぎ……」


 隣を走る彗は、こんな状況下でありながら喋る余裕はあるらしい。私はさっきから叫んでばかりだというのに。これが魔法に慣れている人間とそうじゃない人間の違いだろうか。


「舞理さん」


「はぁ……はい……?」


 爆発音が轟く中で、彗が呼びかけてきた。


「あの野蛮人に……タックル、できますか?」


「はっ……はあ⁉」


 タックル⁉ あの爆弾娘に⁉


「先生は……魔法の使用を、禁止……しました。……はぁ……ですが、禁止したのは……それだけ、です」


「……」


 それだけです。じゃないんだよ。ところかまわず爆発させながら走ってる人間にタックルかまそうって思う馬鹿がどこにいるんだよ。


「体力を向上、させるのは……試験のため、です……。爆発から、逃げ回るのも……はぁ……恐らくは、試験の、練習……」


 どんな試験だよそれ。


「はぁ……誰かが、隙を……作らなきゃ、ならない……。だから……魔法の使えない、舞理さんが……最適」


「いや全然意味わかんないんだけどおおおおおわあああああああ⁉」


 突然目の前で起きた爆発を、間一髪で回避……いや、ちょっとかすった。足に一瞬強烈な熱を感じた。いつの間にか爆発が起きる場所が近づいてない⁉


「喋ってる余裕あるならレベル上げるぜ~!」


「いやあああああああああ‼」


 全然自分のせいじゃないのに勝手に難易度が上がったああああああああああ‼


「ほら! 早く!」


 こっちはこっちで私にタックル強要してくるし⁉


(クソッ……この二人、水と油すぎる……!)


「ああもうこうなったらやけくそだあああああああああ‼」


 ええいままよ。もうどうなっても知ったことか。


 私はUターンしてあめに向かって走った。


 あめは一瞬驚いた顔を見せたが、すぐに唇の端を吊り上げて嗤った。


「へッ。おもしれーじゃねーか! かかってきな!」


「うわあああああああ!」


 タックルってどうやればいいんだ!


 自分でも何をどうすればいいのか、そもそも何でこんなことになっているのか全くもってわからない。


 わかるのはただ一つ。


 近くで爆発が起きたら避けたほうがいい。


「あっ」


「ヤベッ」


 私に威嚇でもしようとしたのか、それともただランダムで爆発を起こしているだけなのか。とにかく、あめまであと数歩の距離まで来ると、真正面で爆発が起きた。私にとっても真正面なら、あめにとっても真正面だった。だから二人とも回避しようとした。


 回避しようとしたら、出会い頭で衝突した。


 どっごおおおおおおおおん‼


 そんな馬鹿二人に追い打ちをかけるように、すぐそばで大爆発が起きた。

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