94 ヒルヒルと和三郎でパンチパンチパーンチっ!(子門真人風に)
とりあえず上げます。
2024/10/23 あまりにあまりなので後半を追加。サブタイもあんまりなので変更
2024/10/24 鳰鳥姉さんを追加
「あれよあれ!」
「なによなに?」
本栖湖にじゃぶじゃぶと分け入ったシュタ公がそのまま派出所近くの岸辺に上がってきた。滴り落ちる湖水を見て、ヒルヒルが嬉しそうに叫びをあげた。なんかまた思いついたんだろうなあと和三郎は問い返した次第。
「『サンダ対ガイラ』! シュタ公の濡れそぼった感じが!」
「あれ? どっちが人喰うんだっけ? 海だっけ、山だっけ?」
「海フランケンシュタインの方」
「これさあ同時上映が『ジャングル大帝』なんだよねえ。凄まじいサイエンスフィクションダブルフィーチャー♪だよねえ」
「タイムマシンにおねがい! 『ジャングル大帝』ってSFだったっけ?」
「おぼろげな記憶で申し訳ないけど、原作の後半はレオが共産社会みたいな国を作って、どこぞの博士が開発した人工肉を配給するっていう展開だったから。たぶんSFだよ。SF三部作の一つだった気がするし」
「うーん、強引だなあ」
「可愛いライオンのアニメ観に行ったら、バクバク人を喰らう怪獣が一緒なんてトラウマもんだよ」
「縮尺1/12のデカいミニチュアでグロさマシマシ、リアルで良いですよねえ。前も話したけど、後のエキスプロとコスモプロの夢のタッグですからなあって、それ言ったら、サンダとガイラのデザインはあの成田亨ですよっ!」
「それからそれから、あの東宝怪獣映画の超兵器っつったらこれ! っていうメーザー殺獣車が初めて登場した映画でもあるね」
「おおー」
相変わらず和三郎とヒルヒルのくだらん話はだれも止める者がいないので、延々と続いていく。
慣れっこのシュタ公は陸地に上がって、みんなを下ろすとしゅるしゅると小さくなった。
気が付くと和三郎の肩の上、定位置に鎮座ましましていた。
「いあっ!いあっ!」
「シュタ公は動きはGRのクセに、こういうところはジェットジャガーみたいだなあ」
「そういえばジェットジャガーといえば、最初の名前がレッドアローンだったのは知ってます?」
ヒルヒルが得意げに鼻を鳴らす。
「ああ、小田急がレッドアローと被るからとクレーム入れた件か」
「なんだ知ってるのかあ」
「『エヴァ』で初号機が使徒以外で唯一戦ったロボの名前がたしかジェット・アローンだったよ」
和三郎がマウントを取りに行く。
「ぎゃぎゃ。1テラバイトのHDで動くロボットですな。そうかあ、あのにやけたような口はジェットジャガーの口ダッタカ…」
「口調が『キル・ビル』のルーシー・リューになってるから」
「いあっ! いあっ!」
2人と1匹のやりとりをきょとーんと見ている遠目塚依子。顔を見合わせて、何の話だかさっぱり分からんという顔で見合うチャンチャマイヨと佛淵兵庫の姿があった。居合わせた皆はどうツッコんでいいのやらと逡巡していたらしい。
ふと何かの気配につられて佛淵兵庫は湖面を振り返った。
「はて面妖な」
目の前の出来事に驚いた兵庫は大声で和三郎を呼ばわった。乞われて和三郎も振り返る。
「いやいやいやいや、嘘だろ」
「纐纈城大占拠は次回に持ち越しですね」
ヒルヒルが混ぜ返す。遠目塚も後ろを振り返り、目の前の出来事にきょとーんとする。
先ほどまで本栖湖の湖面に荘厳な姿を見せていた纐纈城が、霧にまかれていき、そのままぼんやりと陽炎の様に滲みながら姿をかき消したのだった。
鳰鳥姉さんがロールもどきを粉砕する寸前で動きを止めて、ゆっくりと本栖湖を振り返った。ちょうど纐纈城の姿が朧のようにかすみ始めた所だった。
「元の世界へ戻ったか……」
鳰鳥姉さんは炎の弾をロールもどきの口に無理矢理詰め込んだ。弾けるロールもどき、もどきの腹から燃え出した火の玉のあおりを喰らい、ハリガネムシも燃えている。
「まあ、儂は戻れはせんじゃろうなあ……」
鳰鳥姉さんは少し寂しそうに笑った。
これではほんとに身もふたもないので、も少し実のある話も追加します。
いまはこれが精いっぱい。




