90 遠目塚依子は地団駄を踏む
纐纈城脱出篇なのですけど、なんだか締りが悪いというか、なんつうか中途半端。
2024/10/04 後半纐纈譲城主とのやりとりを追加。いやあこれ、商用だったらJASRACに使用量計算表で算出した金額払わないといかんやつやーん。
https://www.jasrac.or.jp/users/calculation/pdf/pub-calculation2.pdf
ごとん。
石の床に絡繰り人形の首が落ちた音が響く。
ごとんごととん。
紐を切られて球体関節が外れる。てんでばらばらに床を転がっていく。残り一体となった絡繰りが佛淵兵庫に迫った。殴りかかってきたからくり人形の腕を刃で弾き返す。というか体の重心を移動して、絡繰り人形の正面を避けながらいなしていく格好だ。その時ついでにバランスを崩すように、刃で押してやる。絡繰り人形はたたらを踏んで、振り返り追撃を加えようとするのだが、その隙を佛淵兵庫は見逃さない。またも関節をえぐって、球体関節を留める紐を断ち切っていく。
ごとん。
切断された絡繰り人形の頭が床を滑っていく。
佛淵兵庫は落とし差しした鞘に長刀をぱちんと収める。
「娘よ、娘よ。安心おし。珍妙な絡繰りどもは、わしが打倒したぞ」
「ナオミトリィ!」
隅っこに隠れていたチャンチャマイヨが飛び出してきて、佛淵兵庫に抱き着いた。
「これこれ、それはわしの生業だと言っただろうに」
チャンチャマイヨの頭をなでながら、ふと佛淵兵庫は四つ辻の前方を見やった。
大きな扉がある。
「ふーむ、ひょっとするとここが正門かな」
佛淵兵庫はチャンチャマイヨを連れて扉の方へと歩を進めた。
「娘よ、娘。どうやらここから外へ出られそうだぞ」
そういうと大きな扉の横に設えられたくぐり戸の閂を外して開け放つ。
目の前には本栖湖の湖面があった。
辺りをぐるりと見渡すと左手の方から何かが爆ぜる音が聞こえてくる。照明が燦燦とたかれて一区画だけ明るくなっている。そこは今話題の本栖湖派出所の方角で、絶賛ロールもどきとの戦闘が展開していた。
「何やら賑やかそうだな。あちらへ行けば人もいるかね。しかし、ここ海なのか? 舟でもあれば向こうへ行けるが、何もないのう」
佛淵兵庫とチャンチャマイヨは顔を見合わせてしまった。
「時は来たあっ」
「ヒルヒル、俺はお前さんの後ろで苦笑しなくちゃいかんのかい?」
「え? ああ、1990年2月10日 スーパーファイトIN闘強導夢の橋本真也と被ってしまったのかあ」
「ごめん、無意識でやってたのか。それはどうでもいいからさ、早く済ませちゃおうよ。依子ちゃんご立腹だし」
「う、うん。じゃあ標的は仮面の男ってことで」
「いけ、ヒルヒルっ! お前には7号機がついているじゃあないか!」
「ようしっ、じゃあ、その前に景気の良い戸川純アーンド泉水敏郎ウイズ小滝満で」
ヒルヒルは別ウインドウを開いて、曲リストを操作していく。
「ヤプーズの『宇宙士官候補生』だぁっ!」
重低音のシンセの音に、北欧っぽいメロディ重なり、さらに泉水敏郎の快活なドラムがリズムを刻んでいく。戸川純の華麗な歌声が弾ける。
背中の衛星巨砲の砲塔がゆっくりと肩まで。砲塔をそのまま纐纈城城主へと照準を合わせていく。
「ヨリー! 今レーザー撃つから、良い感じで避けてね!」
ヒルヒルが適当な指示を叫ぶ。
「ヒルヒルっ、ほんわかし過ぎだ! それになんだっ ノリノリじゃないか」
胴田貫で纐纈布を切り裂きながら遠目塚依子が叫ぶ。リズムに乗りながらヒルヒルがにんまりと笑う。
「いくよっ!」
「おうさっ!」
ヒルヒルが叫ぶと同時に遠目塚依子は空中で華麗に回転して射線から離脱する。
「おおっ、あの回転はまさに『子連れ狼 三途の川の乳母車』クライマックスで、若山富三郎が見せた空中回転だっ!!」
ぶうううん!
ヒルヒルが纐纈城主めがけてレーザーを発射すると同時に、砲塔を袈裟切りみたく動かした。
今まさに遠目塚依子に追撃を入れんとしていた纐纈譲城主の身体に斜めに線が浮き上がり、纐纈布がじゅっと燃え上がった。
「いいよっ、城主切れてる切れてるよっ
よーしっ、シュタ公、ロケット弾だ!」
「ま゛っ」
機嫌が直ったシュタ公の両手の指先からまるで猫が爪を露にするように、銀色のロケット弾が顔を出した。そのまま纐纈城城主に向けて連射を始める。
ロケット弾の直撃を受け、さらに爆風にさらされ、纐纈城主はきりもみしながら吹き飛んでいく。吹き飛んだ先にもシュタ公は容赦なくロケット弾を撃ち込んでいく。纐纈城城主はそのまま朱塗りの石壁にめり込む。さらなる追撃で『アキラ』の鉄雄か『童夢』の内田長二郎くらいしか経験がないであろう状態で、めり込んだ石壁にびしびしびしと亀裂が走っていく。
ロケット弾の雨霰を受けた城主の纐纈布は千切れ飛び、布は大量の染料を吐き出した。城主の身体もずたのぼろである。
その姿を見た和三郎はシュタ公の頭の上で、ヒルヒルはその横を飛びながら呟いた。
「「まっかなトマトになっちゃいな」」
「息ぴったりだなっ! こらぁ」
下から地団駄を踏みながら遠目塚依子が叫んだ。
うむー。ぬるいなあ。ちょっと書き直すと思います。
ということで見事書き直したけどうーむ。
宇宙士官候補生 ヤプーズ
https://www.youtube.com/watch?v=yDQNZByAVXY
瑕疵ならぬ歌詞はこっち
https://www.uta-net.com/song/31558/




