84 和三郎とヒルヒルの楽しい魔女っ子漫談
色々なところで色々な方が奮闘中ですね。
いやはや知らぬうちに田中敦子さんまでが鬼籍に……。むうう。
ジョン・ウーの「the Killer」セルフリメイクがアメリカにて配信開始な訳ですが、
なんかワクワクドキドキしないんだよなあ。「マンハント」の時は少しはドキドキしたのに。
「衛星巨砲?」
「ヒョロヒョロをオーバーキルしたあれよ、あれ」
「はいはい、拡散波動砲的な奴ですね。カタカナで言ってくれたらすぐわかりましたのに、サテライトきゃの……」
「いやまあそうなんだけど、なんとなくさあ、その名前出しちゃうとまんまじゃん。だからこっちは漢字で書いてごまかそうかなと」
「“きゃの”で止められたんで、思わず魔法のステッキが出るかと思いましたよ」
「“やーの”だったら、ちょうど40周年だったのにな」
「ああ、そうですね。登場人物の心象を風景や雨などの自然描写とシンクロさせるという映像表現が無茶楽しい安濃高志監督作品ですな。どっちかっていうとわかりやすいのは『マジカルエミ』の『蝉時雨』なんですけどね」
「ああいうジャンルものって、枷があるわけじゃない? 設定とか、お約束とかさあ。縛りがあるわけでそれを守りつつ、内に抱えながらも、いろいろ垣根を越えていき、傑作へと昇華するってところにロマンがあるよねえ」
「その辺を逆手に取ったのが魔法の小道具がそのまま武器扱いな『リリカルなのは』だったり、魔法=腕力という力業に変換した『ふたりはプリキュア』とか、退治する魔女が実は魔法少女の慣れの果てという『魔法少女まどか☆マギカ』だったりするわけだけどさ」
「変化球だと……」
「なによーっ! そんな話はどうでもいいから、なんか打つ手があるなら早くやんなさいな! こっちはちょっとお腹すいてきちゃったんだからっ」
がしがしと胴田貫で纐纈布を切り伏せていた依子ちゃんが大声を上げる。
「いっけねえ、いまは緊急事態だった」
「ヨリーっ! ちょっと待っててね」
ヒルヒルは叫ぶと、目の前に仮想モニターを発現させて、操作に没入した。
「もうもうもう、だからヨリーって呼ぶなってば!」
胴田貫がうなりを上げて纐纈布を切り裂いていく。依子のワンピースは元から紅かったと錯覚するほどの深紅に染まっていた。
「あああああっ。ぬるぬるするっ!」
ぽう。
ロールもどきが爆散し、ハリガネムシがどたんばたんと跳ねまわる。
しゅぽん。
ぽう。
今度は跳躍したロールもどきが空中で爆ぜる。
しゅぽん。
タケミナカタがグレネードランチャーで黙々とロールもどきに対処していく。
その横で白糸台と中島敦が土偶兵士ロックを盾にロールもどきを迎撃している。
鳰鳥姉さんと甚五は連携してロールもどきを焼いたり斬ったりしている。
瀬蓮張はXM556を腰だめでバリリバリリと撃ちまくり、開發恵は声援を送っている。
ケンゾーはガルムとアラクネーに全部丸投げ。リンちゃんはロールもどき爆散後に、ギッタンギュリギュリしているハリガネムシを毟っている。
そんな戦闘の中、上空からおっとり刀で現れたヘリコプターがあった。
佐々門と如月冴が乗っているヘリコプターだ。
「なんだよーあれは、シナモンロールみたいだけど、なんか違ってないか?」
「そうだな、歪だな。目と口の位置とか微妙に違っているな、まるで……」
「パチモンゲットだぜ」
佐々門の言葉を如月が補完する。如月は頸を左右に振ってポキッコキッと首を鳴らす。
「それでは如月冴、今からロールもどきの征伐に参加致しますっ!」
佐々門の方を向いて如月が陽気に叫ぶ。
「やりすぎないようにね」
佐々門の言葉に大きく頷いて、如月はヘリの側面ドアをスライドさせる。
「必殺。ユパ様ジャンプ!」
そう言うと如月冴は両腕をクロスさせて足を曲げた状態で飛び降りた。
「双方動くな!動けば王蟲の皮より削り出したこの剣が、セラミック装甲をも貫くぞ!」
のセリフへと繋がるあの有名な跳躍姿勢である。すると奇妙なことが起こった。
前方でクロスした如月冴の両腕が、銀色の刃へと徐々に変貌したのであった。
「ユパじゃなくてT-1000だよねえ」
誰に言うでもなく、佐々門姉さんがつぶやいた。
ということで魔女っ子談議前哨戦です。
ほんとは『魔法使いサリー』『ひみつのアッコちゃん』によって形成された、魔女っ子のお約束について触れたかったのですが、いきなり変化球『マジカルエミ』でスタートっす。今後の展開で魔女っ子って絶対出るよなあと思ってますんで、その時にでも思いの丈を。




