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ヒルコの娘は常世と幽世の狭間で輪舞を踊る  作者: 加藤岡拇指
海百合からの挑戦 本栖湖派出所攻防戦
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67 宵闇と無窮丸 世界を語る

本栖派出所防衛線 幕間。

新展開、なのか?

接近禁止命令が出ていた。

別れたはずだと、もう私には関係ない。貴方は既に他人なのだから、私の人生に無理矢理入って来ないでほしい。彼女はそう言った。

俺は別れることを承認していない。そんな話は聞いていない。彼女はそんなことをするわけがない。誰かが彼女を脅している。俺と別れるように、関係を断つようにと無理矢理言わされている。彼女は自分で判断が出来なくなっている。

正気を取り戻してもらおうと何度も説得した。何かに怯えている。俺の話を聞いてくれないくらいに怖がっている。

俺はあきらめない。何度だって説得する。彼女がちゃんと正気に戻ってくれるまで。俺は絶対にあきらめない。邪魔するやつは許さない。

いつものように彼女の動向を確認して声をかけて、説得しようと思った。今日は声をかけることはできなかった。

警察に呼び止められたからだ。

警察のはずだ。

「お前は何処から来た?」

黒いスーツを着た女とコートを羽織った男の二人に問いかけられた。

何処から? 可笑しなことを言う。

何処からも何もない。俺は昔から此処に居る。

「いや、居ないんだよ」

この男は何を言っているんだ?

「佐藤芳雄は此処には居ないんだ」

コートの男が煙草を燻らせて言葉を継いだ。

「お前は何処の佐藤芳雄なんだ?」

俺は、佐藤芳雄は、昔から……此処に……。

「既に佐藤芳雄は死んでいるんだ。この世界には居ないんだ。居ないはずの佐藤芳雄がなぜ此処に居て、ストーカーなんかしているんだ?」

何を言っている? 佐藤芳雄は、俺はここに居る……じゃないか。

「あの娘はお前の元彼女でも何でもない。此処ではお前とは会った事も無い、赤の他人なんだ」

この男達は何を……?

「もう一度聞こう。お前はどの世界線の佐藤芳雄なんだ?」

俺は……。


ヒルヒル達が呑気に(彼らなりに一生懸命だと思うヨ)、白いヒョロヒョロと戦っているその頃。公安7課の宵闇貴彦と無窮丸文子は、並行宇宙からの彷徨い人を拘束していた。

また登場人物増えてるじゃないの!

俺は知らないぞ。

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