63 中島敦と白糸台が大きな狼と出会ったー
本栖派出所攻防戦その1
2024/06/19 少し修正
2024/06/21 地理的な情報をちょっと追加。
本栖派出所前、結界ギリギリのラインで警官隊が展開している。派出所急襲の知らせを受けて、本部から駆け付けた署員も三々五々集まり始めていた。139号線を横断する形でヒョロヒョロ達がやって来ているため、これを迂回して71号線をひた走ってきたため、集まりが悪いのだ。
その眼前には白いヒョロヒョロの群れが押し寄せている。結界に張り付いた姿は
「『死者たちの夜明け』ヘラルド文庫版のショッピングモールににじり寄るゾンビだな」
「『新感染ファイナルエクスプレス』の大田駅の兵隊さんだよ。がっつき具合が似てる」
「そんなこと言ってると映画みたいに結界突き破って襲ってくるぞ。白糸台」
「怖いフラグ立てるな。中島敦」
実際の所、結界は決壊寸前で、ほどなくして結界が破られた。イメージ的なモノなのだろうが、実際にガラスが割れたみたいな感覚を、その場にいた警官たちは感じ取っていた。白糸台と中島敦が待機している、数十メートル先の結界が綻んだ。それまで結界で防がれていたのだが、結界が綻んで勢い余った白いヒョロヒョロがどよどよと、派出所の敷地内になだれ込んできた。
慌てた指揮官の指示で白糸台達は発砲を始めた。警官隊は落ち着いているようで、突発的な事態に対処が遅れてしまった。慌てて対応するのだけど、闇雲に銃を乱射するだけで、あまり効果が望めなかった。それでも数体のヒョロヒョロを倒せただけマシというものか。
銃弾を受けて動かなくなったヒョロヒョロを乗り越えて、数多のヒョロヒョロが押し寄せる。
白糸台や中島敦達もH&K MP5A4で迎え撃つのだが、押し寄せる数が尋常ではないので捌ききれない。結界の綻びが徐々に広がっていく。分け入って来るヒョロヒョロの数もどんどん増えていく。エルガミオが横倒しになる。放水車の放水攻撃もあまり効果がない。一部の警官の陣形が崩れ始めた。
「こりゃダメかも知らんね」
中島敦がぼそりとつぶやいた時、茶色い集団が目の前を過った。タケミナカタが指揮する土偶兵士部隊だった。
吶喊していく土偶兵士に白いヒョロヒョロが群がった。土偶兵士がヒョロヒョロを切り裂く。その後ろで炎が吹きあがった。7体ほどのヒョロヒョロが巻き起こった爆炎に呑まれていく。鳰鳥の放った火の手妻だ。3点バーストの小気味いい音と派手なマズルフラッシュを携えて、タケミナカタ達と禿軍団が現れた。甚五は黐竿を突き刺し、ヒョロヒョロを屠っていく。
「に、ニール・マッコーリー!?」
白糸台が叫ぶ。その声にタケミナカタが片手を上げて応える。
タケミナカタは白糸台と肩を並べるとグレネードランチャーを放った。
ぽう。
数体のヒョロヒョロが吹き飛んでいく。
しゅぽん。
排莢してグレネードを詰める。
「本当ならこんな状況になる前に、30秒フラットで逃げ出してるとこだ」
「つ、つ、津嘉山正種!」
中島敦が大声を上げる。
「またそれかっ。何度も言われて飽きてしまったよ」
ぽう。
ヒョロヒョロの頭が炸裂する。
しゅぽん。
多勢に無勢。タケミナカタと古傭兵團が参戦しても、一向に戦況は変化しない。数限りなく現れ襲ってくるヒョロヒョロを前に、じりじりとタケミナカタ達は後退をするしかなかった。
白いヒョロヒョロ。みつけた。
ケンゾが言った嫌なやつ。
いいぞ、いいぞ、いいぞ。
かみつけ! みんなで、かみつけ。
いいぞ、いいぞ、すごくいいぞ!
力 奮う。
おもしろい。すごくおもしろい!
そこへ雪崩れ込んできたのが青白き体毛に包まれたガルム達だった。ケンゾーに言われた通り。ガルム達は白いヒョロヒョロに襲い掛かった。圧倒的な力でヒョロヒョロに噛みつき蹂躙していく。
ガルムの参戦で警察にも少し余裕ができたようだ。
「中島敦! 狼だ」
「ものずごくデカいぞ、白糸台!」
「あれは公安8課の先触れだよ」
タケミナカタがグレネードランチャーから薬きょうをしゅぽんと排出しながら答えた。
「公安8課って、あなたも、8課の人?」
「いや、違うよ。味方だけどな」
がしゃりとグレネード弾を装填する。
「じゃあ、どこの所属?」
「うーん、諏訪神社の方から来たんだ」
白糸台と中島敦は顔を見合わせた。
「「うそくせえ!」」
白糸台と中島敦は声を揃えて叫んだのだった。
気に入らないのでだいぶ直すと思う。
なんか面白くないなあ。
と思ったけど、リズムは悪くないような気もするので、ちょっとずつ修正中。




