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ヒルコの娘は常世と幽世の狭間で輪舞を踊る  作者: 加藤岡拇指
海百合からの挑戦 本栖湖派出所攻防戦
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60 タケミナカタ オオヤマツミから何かを貰う

中国映画『ブラインド・ウォー 盲目の戦士』を観ました。冒頭すぐから始まる裁判所を舞台にした、主人公がめくらになるまでのアクションがかっこいい。ヤン・シン演じるシーナがぶっちぎりで悪くって、可愛くってたまらーん!


樹海を目の前にして、本栖湖派出所攻防戦が開始されます。

果たして和三郎達は現場にたどり着けるのか? タケミナカタ達呉越同舟チームはどう動くか?

そして、ガン・フーの系譜をたどるオタク談義の行方はいかにっ!

「すぐにはたどり着けなさそうだねえ」

和三郎達のハイエースは白いアレソレ出現で発生した渋滞にはまって身動きが取れなくなっていた。

「ねえねえ、バーンってやっちゃっていいかな?」

「ダメだよ。アレソレがいるんだったら別だけど、なんにもいないのバーンって道を開けちゃああだめだよ」

ああ、そうかという顔でヒルヒルがうなずく。

「後ろに積んだままの7番で対抗できるの?」

“7号機”とでかでかと表示があるコントラバスケースが積んだままになっていた。表記が№だったり、#

だったり、統一が取れていないが、おそらく製造先が違うので、表示もまちまちなのだろう。和三郎はこの表記を見たことがある。近接戦闘用・阿弥陀バスター(勝手に命名)と同じところの表示方法だ。おそらくなんやようわからん変形ギミック搭載の変態的な義肢なんじゃないかと、和三郎は推測している。

「うーん」思案顔のヒルヒルは、和三郎に中身がなんであるか教える気はないらしい。

「そのうちわかりますよ」

ああ、煙草が喫いたいと、和三郎は衝動的に思った。


「はいっ! お待たせ山神社(さんじんじゃ)到着っー!」

139号線を直進してすぐに右折。少し蛇行すると山神社の鳥居が見えてくる。そこにS660とユニカーがぎゅんと止まった。

「しばし待たれよ」

タケミナカタはそういうと鳥居をくぐる。そのまま本殿へと向かう。山神社は大山津見神を祀る神社だ。諏訪神社がすべてリンクしていたように、この山神社も大山津見神を祀る社とリンクが形成されている。タケミナカタは山神社の本殿で掌サイズのあるものを数個受け取った。無造作に上着のポケットに突っ込むと急いで車まで戻った。

「用は済んだ」

鳰鳥が面白そうにタケミナカタの上着にポケットをみつめた。

「役に立ちそうかえ?」

「うーん、わからん。オオヤマツミから受け取ったはいいが、効果までは保証しないとさ」

「ふーむ。なんとも不安じゃのう」

「ちょっとの間の抑止力にはなるだろう」

ユニカーとS660は元来た道を戻っていく。

本栖湖派出所まであと少しだが、白いアレソレが行く手を阻むように、道に並んでいた。

「ああ、めんどくさい(しょらごっちょの)

タケミナカタが憤りながら、グレネード弾を放った。


「ここに結界張ってあったんだなな、中島敦」

「いやはや驚いたぞ、白糸台」

本栖湖派出所まで戻り、武装を整えた中島敦と白糸台は、派出所の周囲に張り巡らされた結界で、そこから先に進めない白いヒョロヒョロを眺めていた。

そういえば樹海を囲うコンクリートの壁が構築された際に、本栖湖派出所は規模が拡大されている。その時、結界も張られたのだと聞いたような覚えがあった。

「少しは何とかなるかな。中島敦」

「どうだろう? これは結界破られるのも時間の問題じゃないか。白糸台」

結界が壊れた時にどう対処したらいいのか、皆目見当がつかない。

中島敦と白糸台は顔を見つめて、どちらからともなく諦念たっぷりな笑顔を向け合った。

ということでなし崩し的に始まった本栖湖派出所攻防戦。

その顛末やいかに!

今回は真面目にお話が動いている、よね?

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