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ヒルコの娘は常世と幽世の狭間で輪舞を踊る  作者: 加藤岡拇指
海百合からの挑戦 本栖湖派出所攻防戦
61/136

59 開發恵の民宿村からおはこんばんちは

一方その頃の開發ちゃんたちです。

後半加筆予定。


2024/6/10 後半追加。追加したら、タケミナカタが余計なことを言い出してるぞ。ほんとは本栖湖に騎兵隊の如く駆けつけるはずだったのに、のに。

「もくもくと煙が上がっているな」

タケミナカタが本栖湖方面を見やる。

「昨日のやつらの気配がするのう」

ううーんと背伸びをしながら鳰鳥が答えた。派手な花魁姿でもなく、髪を下ろして今時の女の子なジャージベースの動きやすい格好になっている。ぐーんと伸びたら、綺麗なおへそが見えている。

精進湖民宿村。

開發恵ちゃんに助けられたタケミナカタ達が、体を休めるために立ち寄った民宿が多数寄り集まった集落である。分厚いコンクリートの塀で囲まれた樹海の隣。やはり樹海と同じく群生する森林を、長方形に切り取って居住区を設けた場所だ。その昔、強烈な台風で村をなくした住民が樹海に移住して切り開いたのが、この精進湖民宿村の始まりだと言う。

「時間の流れが違うのかの、ついつい長居をしてしまったわ」

鳰鳥がにこにこと民宿のおばちゃんに話しかけた。

「わたしの母が言ってたけど、ここに移って来た時になんだか偉いお坊さんだか、神主さんが来て結界を張ってくれたらしいの。それで、変なモノに呪われたり、襲われたりしないんだって」

「うむ、そうだな。私の所の禰宜が施した結界のようだ。中々に頑丈。優秀、優秀」

タケミナカタが少し得意げに話に参加した。

「たしかに、ダメなヤツが術を施すと、途端にだめになるからの。その点、諏訪明神の所は確かに腕は確かなようじゃの。諏訪明神様様じゃな」


「そんな様様達、準備出来ましたよ」

どこで調達してきたのかHonda S660 Neo Classicの運転席から、開發恵が降りてきた。

「たまたま近くの知り合いの車庫があったんで」

そこから一台借りてきたらしい。

「ほんとは『ブリット』よろしくムスタング貸してってお願いしたんだけど、速攻で断られまして」

「これなら新しいからいいって」

「でも、こいつ生産終了してるから、壊したらダメなんじゃねぇか」

甚五がおそるおそる質問してきた。壊す前提なのも恐ろしい質問ではある。

「同じ車5台ぐらいいたから大丈夫でしょ」

中でも丸い目玉で可愛かったので、こいつにしたのだそうだ。

「恵殿は希少な車に乗っているから、何かこだわりがあるのかと思ったのだが……」

大国主が眉を寄せる。

「ああ。ホープスター。私はモトコンポの魔改造専門。このユニカーとか、S660とかは瀬蓮が担当です!」

瀬蓮張、慇懃に一礼してみせた。

民宿のおばちゃんとの別れの挨拶を済ませて民宿村を後にする。

途端に異様な気配が周囲に充満した。結界で遮られていたアレソレの気配が駄々洩れ状態である。

「ほんとにいい仕事していたんだな」

甚五が黐竿をビュンとしならせる。

国道139号線をS660とユニカーが爆走する。

「恵殿には申し訳ないのだが、一か所寄っていただきたいところがあるのだが」

タケミナカタがデ・ニーロなルックスで、半笑いを浮かべながら語りかける。

「いやはや、ほんとに。その姿で話しかけられると、わたしも強盗団の一味になったような気がするわ。ん、了解。で、どこによればいいの?」

山神社(さんじんじゃ)

「さんじんじゃ、ね」

「右折すれば本栖湖派出所なんだが、ちょっとだけまっすぐ行くと神社がある。そこが山神社。途中、壁を越えてきたアレソレに遭わなければいいんだが……」

「もう、ぶっ放したくて仕方がないのだね! タケミナカタご一行は! 今のは壮大なフラグだよっ!」

「フラグ……ねえ」

そういうとコルトM733をぐっと握りしめた。M203グレネードランチャーが装備されている。

タケミナカタは民宿村で人心地着いた後で、一旦本社転移して、たっぷりと銃弾を補充してきている。

言った傍から道路脇からのっそりと白いアレソレが5匹ほど飛び出してきた。S660の前を走っていたワゴン車が弾き飛ばされる。アレソレが左手をうるさそうに振るっただけでワゴン車が宙を舞う。切り裂かれた車体から、中に詰まっていたプライムな段ボール箱がばらばらと路上に散らばっていく。

タケミナカタは助手席の窓を開けると半身を乗り出して、グレネードランチャーを構えた。

ぽう。

白いアレソレに炸裂する。

しゅぽん。

排莢して次弾を込める。

ぽう。

ちょうど重なったアレソレの頭に被弾。アレソレが道路を横断してつんのめりどうっと倒れる。残り2匹だが距離が近すぎる。


ばりばりばり。

ユニカーからXM556の方向が響いた。はじけ飛ぶアレソレの頭部。XM556を抱える瀬蓮が普段は見せないような悪鬼の如き笑みを浮かべている。運転は大国主に代わってもらったらしい。頭部を破壊されたたらを踏むアレソレの足元を、S660とユニカーがすいすいと抜けていく。

「ではでは、一路、山神社へ。なんだかSAN値みたいな名前の神社だね!」

恵ちゃんがにっこにこで声を上げた。


嬉々として「エンゼルコップ」周辺を掘り下げていたら、どんどん面白くなっちゃって、気が付いたら筆が止まっていたという。あの時代に、アニメの素材で特殊公安やらテロ組織がとかを持ってくるってのは稀有だなあと。まあでもそれを思いつくであろう土台は必ずあるはずなんで、そのあたりを調べるといやはや面白い。点と点がつながってリンクが見えてくるのは楽しい楽しい。それをどうやって紹介しようかと考えるのも楽しい楽しい。

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