57 シュタ公 大騒ぎする(あるいは遺伝子が泣き叫ぶ)
和三郎の兄の行方が分かりますね。
2024/05/31 勢いで書いてから気が付いた。富士吉田警察署と富士の樹海は離れすぎているのだよ!
それがぐるぐるして、盛り上がるであろうアクションシーンへ没入できず。停滞中。
2024/06/03 場所を本栖湖の駐在所に変更。鹿カレーは俺も食いたい。
聴いたことのあるような無いような行進曲が流れる中。
鈴鹿連は取手頼子と一緒に居た。
クマのぬいぐるみが手に手に楽器を持って、行進曲をじゃっじゃっじゃっと演奏している。
「わたしのクマがこんなにたくさん」
連がニマニマと行進するチーキーベアを眺めている。
クマのぬいぐるみのオーダーメイドを受けた連が、依頼主の頼子の訪問を受けた。部屋に招き入れたはずなのだが、自分はクマたちの世界へ誘われていた。
連の横で頼子はガトーショコラを食べながら、連と一緒にクマの行進を眺めている。
「で、どうしてわたしは此処に居るの?」
連が頼子に問いかけた。
「本当はダメなのよ。でもね、大好きなクマの生みの親が殺されちゃうのは嫌だったの」
あのまま現実世界に居た場合、連は命を落としていたという。それを回避するため、頼子は連をクマのぬいぐるみの世界へ連れ出したという。
「わたしが女の子になっちゃったのも関係してるのかね。まあ、昔からどっちつかずでふわふわしてたけど。みんなも心配してるかな」
「詳しくは分からないけど、連せんせーの弟さんが関係してるみたい」
「なら、なおさら……」
「大丈夫。だからクマの使い魔・パーシヴァルを送ったの」
「ああ、さぶろーが見せてくれたよ。名前はそんな高貴な名前じゃなかったけどなあ」
じゃっじゃっじゃっクマたちは行進を続ける。
日没が近い夕方。
中島敦は白糸台と富士吉田警察署本栖駐在所の近く、湖仙荘に居た。
白糸台は限定鹿カレーを滑り込みで注文、中島敦は高原ラーメンを頼んでいた。
「二度あることは三度あるというが」
「二度で十分だ」
「その瞬間、非常警報は非情警報と化していた! まさに間一髪だったな」
ちゅるちゅる。もぐもぐ。
「白いのは初めて見たな。中島敦」
「なんとか逃げられたが、今までのアレソレよりも手強かったな。白糸台」
「カマドウマに手足が生えたみたいで気色悪かったぞ」
「ひょろひょろと白いくせに剛力だったな」
ちゅるちゅる。もぐもぐ。
「やっぱりこの辛さは癖になるな」
「俺も頼みたかったぞ、鹿カレー」
「そういえば公安8課。ようやく着いたらしいぞ」
「だな。呼び出し喰らってる。説明しなくちゃいかんのだろうなあ」
「憂鬱だな」
「確かに」
警報音が鳴る。びくりと白糸台と中島敦は反応する。
続けて派手な爆発音が響いた。
「お前さんとこの監視塔、また燃えてんぞ」
マスターが白糸台と中島敦に声をかけた。二人は急いでカレーをかきこみ、ラーメンをすすると、手早く勘定を済ませて外へ出た。
程よい距離に見えるコンクリートの壁の上からもくもくごおごと炎が上がっていた。
「三度目かこれ?」
「三度目だな、多分」
壁の上に白いヒョロヒョロのシルエットがいくつもいくつも現れ始めた。
「いやいやいやいや、こういう三度目?」
本栖駐在所へ一所懸命走りながら白糸台が叫ぶ。
「むりむりむり、こんな三度目ムリだって」
白いアレソレが壁をぞろぞろと降り立ち駐在所を目指して動き始めていた。
「いあっいあっ! てぃけりてぃけり!」
和三郎の肩の上でじたばたじたばたとシュタ公(先ほどほんとは高貴な名前がついていたことを我々は知った)が大騒ぎしている。
ここは富士吉田警察署署内の会議室。どういう手順で捜査をするか、署員を交えて相談中であった。
「どうした? シュタ公。なんかあったのか?」
シュタ公が大きく頷いたその時、署内にくぐもった警報音が響いた。
富士吉田警察署と富士の樹海は離れすぎ!
どうしようか? この世界線ではその辺までコンクリートの壁で囲まれているってことにしてしまえばよいんだろうけど、はてさてどうするか?
場所を樹海近くへ変更して何とか躱す。勢いで書いてしまったが、楽しいからいいや。修正できるし。
いやあ、なんかこのまま『要塞警察』になりそうですね。
白いヒョロヒョロのイメージはギレルモおじさんの「ミミック」かなあとも思ったけど、
おそらく弐瓶勉さんとこの東亜重工的な世界線な人だと思う。




