55 鳰鳥姉さんとタケミナカタの白いヒョロヒョロをぶっとばせ!
調子に乗って即興で新キャラ続々出したために
収拾がつかなくなりそうな昨今、いかがお過ごしでしょうか。
ということで続々キャラ救済企画ですよ。
鳰鳥が掌に現した炎の塊にふっと息を吹きかけた。
炎はすすすーっと白いアレソレに向けて進んでいった。
ぼむ。
白いアレソレに直撃して、大きく爆炎を上げる。周囲を囲んでいたアレソレが距離を取って炎から逃れようとする。
そのタイミングに合わせて、タケミナカタ達はハイエースから這い出て、臨戦態勢を取った。
タケミナカタがバリリッとコルトM733を放つ。銃口のハードゲージフラッシュバイダーのお陰で、豪快で派手なマズルフラッシュが発生する。一瞬、辺りを照らすがすぐに暗闇が迫る。
「おおー、なかなか立派な花火が上がるものよ」
鳰鳥がマズルフラッシュをみてにんまり笑う。
「白いのは頭が弱点だな。的がひょろひょろと細長いので当てづらいが」
バリバリと腰だめでM733を撃ちながら、ニールもといタケミナカタが声を上げる。タケミナカタの言葉通り、頭を撃ち抜かれた白いアレソレは頽れていく。しかし、数が圧倒的に多い。
次から次へと森の中から白い頭がうごうごと、車道へと這い出して来る。
「おまけに炎に弱いと来ておる。が、多勢に無勢。この数はなかなかに手強いのう」
適宜炎を操りながら、アレソレをけん制しつつ鳰鳥が答える。
「寄るな寄るな、寄るんじゃねえ!」
甚五がお決まりのセリフを吐きながら、黐竿を次々にアレソレの頭に突き刺していく。突き刺した傍から新たなアレソレが現れ、本当にきりがない。
「こりゃ弾が尽きるのが先ですな」
トム・サイズモアな出早雄が叫びながら、ガリルARMをどんどんと連射する。
「お主らの神通力で弾はなんとでもなろうに」
「ははは。半分ほど物理法則に縛られている故、そう都合よく弾を取り出すことは能わないのだ」
タケミナカタが笑いながら答えた。まあ趣味で始めた壮大なるなりきり『ヒート』ごっこなのだが、設定をシビアにしたため、銃弾に関してはあらかじめ用意したモノしか使用できない縛りを作ってしまっていた。この縛りさえなければ無尽蔵に弾丸は供給できる。
しかし、そうなると射撃の醍醐味のリロードが味わえない。そんなマニアな理由で、弾丸供給量に自ら制限をかけていた。普段使いならそれでも良いが、非常事態の現在は余計な設定を付与してしまったと、タケミナカタは後悔している。
「弾丸が無くなったら、おんしらは役立たずになってしまうのかえ?」
「いやあ、無くなってもサバイバルナイフと、格闘用の武器はあるよ」
タケミナカタが腰のベルトをポンポンと叩いて見せた。
「弾丸が切れた! やつら存外硬いから、ナイフでなかなか切れないぞ!」
大国主が白いアレソレの首根っこを押さえて、切りつけるがなかなか致命傷を与えられず苦戦していた。
次いで出早雄も弾丸が尽き、極太のサバイバルナイフを片手に、アレソレの攻撃に備えている。
「これは中々死ねないな」
タケミナカタがつぶやく。諏訪明神軍団は命を絶たれるような攻撃を受けても、顕現状態が解消されるだけで、気づけば社務所に戻されるだけなので、自陣の安否に関してはさほど心配はしていなかった。しかし、鳰鳥や甚五は長命な身体へと変化はしているが、不死身と言う訳では無いようだ。そんな彼らを放って、死ぬことはできないなとタケミナカタは考えていた。
「堪忍じゃ、諏訪明神殿。我らにつき合わせてしまったの」
タケミナカタの心情に気づいた、鳰鳥が詫びを入れる。
「まあ、何とかなるだろう、死ななければな」
白いアレソレの喉首をえぐりながら、タケミナカタが答える。
「かたじけない」
鳰鳥がそれに答える。
するとタケミナカタ達を幾重にも包囲していた白いアレソレの外側で、凄まじい炸裂音が響き渡った。
「あちらでも花火が上がっておるの」
「なんだありゃ?」
鳰鳥とタケミナカタが見やった先には、ホープスター・ユニカーの荷台でまだ試作段階と言われている携行タイプのガトリングガンXM556を構えた瀬蓮張の姿があった。
どがががと激しい火花と薬莢を飛び散らしながら、白いアレソレを粉砕している。
「やれやれっ!やっちゃえっ!瀬蓮張!」
「恵様、これは中々に非効率的でありますぞ。しかし、気持ちは晴れ晴れとしますな!」
どががががが。
白いアレソレが抗うすべもなく、みちみちと粉砕されていく。
「思わぬところで騎兵隊の登場ですな」
大国主がタケミナカタに声をかけた。
ということで開發恵ちゃんは諏訪明神&古傭兵チームと合流ですね。
M134をぶっ放そうと思ったんですが、嘘っぽくなってしまうので(いやもう嘘ばっかり書いてるくせに)XM556に登場いただきました。
サブタイトルは55話記念でコント55号からいただきました。