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ヒルコの娘は常世と幽世の狭間で輪舞を踊る  作者: 加藤岡拇指
海百合からの挑戦 公安8課富士へ
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48 ワサワサとヒルヒルのザのつく方のキラー・エリート漫談

あー。与太話です。

ペキンパーに始まるガン・フーへの道です。そんでもって、別の側面である『ヒート』のガンアクションについては触れてないんだよな。

当初の目的通り、ハイエースは青木ヶ原樹海を目指して進んでいた。

眉間にしわを寄せたヒルヒルが和三郎に問う。

「さっき東洋と西洋のアクションの融合は『キラー・エリート』からって言ってたよね」

「うん、言った。偉そうなこと言ったと少し後悔している」

「あれってほんとにそう? 私にはひいき目に見てもそうは見えなかったのよ。ニンジャ集団は弱弱で、マシンガンで一掃されてたし」

「融合してもいないよねえ。当時のペキンパー契約でがんじがらめで、上層部にケンカ売れなかったからなあ。カッコいい絵面よりも、撮り終わることを意識してたんじゃないかなあ。

本編で面白いなと感じたのは、ジェームズ・カーンとロバート・デュバルが目的地に向かう車の中でバカ話を延々してるところと、デュバルが裏切ってカーンが撃たれちゃう辺りまでなんだよなあ。

でもカーンがリベンジする前に、仲間のミラーーーボー・ホプキンスがいい味出してんのよーーが放った銃弾でデュバルが殺されちゃう。それでカーンがイラっとするのは、リアルといえばリアルなんだろうけどさ。

ガンアクションシーンはそこそこ面白いんだけどな。近接戦闘はねえ……」

「ひどかったねえ」

「たぶん投げっぱなしだと思うよ。ジェームズ・カーンとそのお師匠さんのなんだっけ? ネガト・トク役の窪田孝行にさ。あれはジェームズ・カーンがねじ込んだのかなあ。ペキンパーはプロデューサーのマイク・メダヴォイに首根っこ押さえられて、良い子にしてます状態だったから、なんも文句言えなかったんじゃないかな。そもそも、それまでの色々でハリウッドで映画撮るの難しくなってたみたいだしさ。忸怩たる思いはあったんじゃないかなあ。

で、ニンジャの役なんだけど、元々剛速流空手の創始者だからさ、日系アメリカ人よりはきちんと扱えているんだけど、刀使ったアクションには無理があったよね。やっぱり太刀捌きはマコ岩松の方が上手いんだよね。すげえ迷ったのかなあ」

「ペキンパーが? ネガトはクボタンでも使ってた方がニンジャっぽかったんじゃないの?」

おそらくハリウッドで最初にニンジャが取り上げられた映画の1本だとは思うのだが、とにかくニンジャの扱いが非常にドイヒーである。

「ニンジャ出したはいいけど、扱いに困ったって感じなのかなあ。まあ、ジェームズ・カーンの杖を使った格闘術とか、地味だけど注目すべきところはあったのかも知らん。

ニンジャの完成度の低さと、そこそこまともな銃撃戦の玉石混合なところは、とてつもない違和感があったなあ。万歳特攻を迎え撃つヤンキーみたいな構図だったもんなあ。『ニンジャ 転生の章』のブラックニンジャみたいなのも困るけどな。

カーンとデュバルがへたくそな歌を歌いまくる車のシーンは、『ゲッタウェイ』の隠れた名シーン、ルディに無理矢理連れ出されて運転手をさせられる獣医と、ルディが寝取っちゃうキンキン声の妻の珍道中を思わせる、あのなんとも底抜けな感じは好きだった。

でもなあ、ガン・フー的な要素ってあんまりないよね」

「でもね、アメリカ人なぜかこの時代のカンフーものとか好きでしょ。ショーブラザースとか、ゴールデン・ハーベストとかのやつ」

「カンフー映画は1970年代に隆盛を極めているからね。ブルース・リーがヒットしたからなあ。詠春拳ベースの格闘技。詠春拳が世界的に知られるようになるには、天才的アクション俳優ドニーの兄貴の登場を待つしかないんだけどね。なんかガン・フーへつながる地盤みたいなものは出来つつあったんじゃないのかなあ。知らんけど」


「もう、またわけわかんない話始めるし、ケンゾさんはアラクネー戻さないから、車の屋根の上に座ったまんまだし。リンちゃんは寝てるし。なんだかなあ」

カデちゃんが愚痴り始めた。


「ジョン・ウーが出てくる前のガン・フー的なモノ」

「「探してみよー!」」

何だか盛り上がる和三郎とヒルヒルと、よくわかんないのに大騒ぎのシュタ公であった。




気になってしまってだめですねえ。思考がそっちに行ってしまった。

『ヒート』については、おそらく初のカーアクション的な側面を持つ『ブリット』とかを引き合いに出さんといかん気がしてる。あと時代劇とか武侠映画とかにも触れないといかん気がしている。

というか、はやく樹海に行けよ。

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