47 開發恵は蚊帳の外
なし崩しで樹海へ向かうようです。
2024/06/07『エンゼルコップ』のペキンパー的な演出を追加。『サザンアイズ』も確認取れたら、具体的な例を掲げてみたいアルよ。
2024/06/07『サザンアイズ』を加筆修正
「ああ、ようやく見つけた!」
大声を上げて開發恵がモトコンポから降り立ち、ヘルメットを脱ぎながらハイエースへとずんずん近づいてくる。
「あちゃー、間に合ったのね」
田部サンが残念そうにつぶやく。
「なによー、ミカオ! その態度はなんだよーっ。合流するって連絡したじゃん」
「勝手にline送って来ただけじゃん」
「ちゃんと送ったじゃん! 談合坂に向かうって言ったじゃん!」
「言ったけどこっちは同意してないじゃん」
ムキーっ!ってよく漫画である、あのポーズで開發恵は憤っていた。
「ここに来る前に道路封鎖されちゃったじゃん。だからモトコンポかっ飛ばしてやって来たのに」
もうほとんどあらかた事件の処理は終わっていた。
「水門んところの怪しいやつとは仕事しないって言ったじゃん」
「でもでもでも、友達だろっ! 少し便宜計ってくれてもいいだろじゃん!」
「なんですか、いいだろじゃんって。友達でも仕事は別だよー。水門はコズミック系からむと見境ないからさー。それで干されたじゃん。水門だって名前は大輔なのに、ニックとか名乗ってさ。例の大学みたいだろうって、悦に入っちゃってたけどさあ。研究所の名前までこれとは思わんじゃん」
「うん、それはあ……わたしもそう思うけどさあ……私まで邪険にすることないじゃん」
「これか、貴様殿が言っておった旧支配者オタクというのは」
鳰鳥姉さんが胡乱な目で開發恵を値踏みする。
「な、なんだよう、じゃん」
ふっと鼻で笑って、田部サンに向かい合う。
「未華男。我らは彼らと先に行っておるぞ。向こうで落ち合おうぞ」
「うん、わかった。まあ何も危ないことはないだろうけど、気を付けて」
「うむ」
鳰鳥姉さんと鳥刺の甚五は、車を持ってきた、諏訪明神一行と合流した。呉越同舟である。運転席から顔を出したニールことタケミナカタが軽く会釈する。
「ちょっ、あれっ、なになになに⁉ なんでデ・ニーロじゃん?」
「うん、もうみんな驚き疲れて見慣れちゃったんだよね」
田部サンが溜息をつく。
「だからガン・フーって言われる表現形式の大元は、『ワイルド・バンチ』なんですよ。ペキンパーが最初にスローモーションを使って、多角的、立体的にに銃撃戦を切り取って見せたのが始まりですよ」
「それをみんなまねしてというか、取り入れていくわけだ。それが、『キラー・エリート』を経て、ジョン・ウーというか、香港映画と出会って、昇華されていくという。その先鞭を切ったのがジョン・ウーだったと。みんな考えることは一緒で、知らぬうちに取り入れていくわけだな、アルバート・ピュンの『ネメシス』然り、ウォシャウスキー姉妹の『マトリックス』然り。そういえばアニメだと西尾大介がOVA『3×3EYES』でやってた。うん、やってるね。大勢の敵に銃弾浴びせられて、逃げ回ってみんなで階上へ駆け上がるんだけど、そこで破片飛び散るところとか、階段上る一瞬をスローモーションで作画してる。あれが最初じゃないかな? ジョン・ウー的な見せ方をアニメでやってみせたのは」
「あとさ、『攻殻機動隊』みたいなアニメからの引用は有名だよね。地味だけど板野一郎の『エンジェルコップ』でも、サム・ペキンパー的な演出がいくつか散見してるよ。第2話のクレイモアにやられるJSWAT隊員。被弾する数秒がスローモーションのタイミングなのよ! みんなやりたがるけど、センス無いとほんとひどいことになるからねえ」
ヒルヒルと和三郎がガン・フーについて語りながら、8課のハイエースへと乗り込んでいく。屋根の上にはアラクネーが鎮座していた。
「あれ……」
開發恵は追い付いたのだけど、誰にも相手にされていないのだった。
「ごめんね、メグちゃん」
「メグちゃん言うなあ! ミカオっ!」
「僕らは先に行くよ。まあここから先はなかなかついてくるのは大変だけど、頑張ってね」
「ぐうううう」
田部サンがニコニコと言い放った
「シャランラ」
可哀そうなメグちゃんはおいしいところあるんでしょうか?
ガン・フーというか昨今のガンアクションの流れみたいな。
大まかに考えているのはヒルヒルの言ってた通り。ベースとしてあるのは、日本映画のチャンバラとか、香港映画のカンフーとか武侠なんかの様式美なアクションがあって、そこに拳銃の描写が加わって、ガンカタとかへつながっていくんだと思うのです。その見せ方としてはペキンパー→ジョン・ウーのスローモーションを多用して、時間を分割する表現が融合して一般性を持って行ったんじゃないかなあと思ってます。最初に意識的にガンアクションと格闘アクションを融合させて表現したのは『リベリオン』だろうし、そんなことは何も考えず、結果的にそういう代物を作ったアルバート・ピュンだったり、初のOVA作品『ダロス』の、薬莢ばらまきまくるシーンとか、アニメ的な表現方法が、実写畑に与えた影響もあるだろうし。いろいろな要素が折り重なって、ジョン・ウイックや、ベイビーわるきゅーれの伊澤さんのガン・フーへとつながっていくと。
2024/06/07
やっぱり準備不足なんで諦めた。
ほんとはアニメ史的には重要なはずの『エンゼルコップ』のことをきちんと説明しようの部分。
大体ぼんやりと見えているんだけど、まだ情報が足りないなあ。




