37 和三郎達 燃えつきるほど『ヒート』
鳥刺に強力な助っ人が現れた。
鳰鳥と禿軍団!
なにするものぞ♪
2024/04/03
微調整をしていたら、違う章をいじらざるを得なくなり、そちらをいじっていたら、こちらは微調整で終わってしまった。まだ加筆修正の予定。
2024/04/04
ほったらかしていたわき役たちの動きを補填。タケミナカタのフロントガラス越し照射を追加。
楽しくなって来てるので良いと思います。
も少し加筆修正します。
2024/04/08
リンちゃんや出早雄の動向追加。
セリフ一部修正。
2024/04/15
ヒルヒルの出番増やす。ヒロインなのにぞんざいな扱いですまん。
「禿って漢字だと一瞬、禿って読んじゃうよな。漢字も一緒だし」
「基本的に髪の無い状態を指す言葉だから、同じ文字で読み方が違うだけ。同じ漢字でも禿は勘弁してほしいなあ」
「どうして?」
「禿で強い人いっぱいいるじゃん。それがさあ禿の中に混じって、禿が見え隠れしてたら嫌だろう?」
「BとかJとかVとかDとかの頭文字で始まる禿が混じってるの? 絶対禿には負ける自信がある。それは嫌だねえ」
鳰鳥姉さん配下の禿たちの銃撃を避けるため、和三郎とケンゾーは、アラクネーに小脇に抱えられながら、ハイエースへと逃れていく。
アラクネーはハイエースの上に降り立った。その重さで車体がひしりと揺れる。
「勘解由小路様」
上からの声にカデちゃんがアラクネーを見上げる。
「よろしければ、わたくしもその……銃を使ってみたいのだけど、よろしくって?」
「ケンゾさん、ケンゾさん、蜘蛛のお姉ちゃんに銃渡していいっすか?」
「レモンちゃんに任せた」
アラクネーに地上に降ろされながらケンゾーが答える。
「やだなあ、カデちゃんって呼んでくださいよ~……じゃあ、お姉ちゃんはこれ使って」
カデちゃんがH&K HK91を手渡した。
たたたん。
和三郎が迫って来た禿に撃ちこむ。
高速道路に近いところに、トラックや観光バスなどの大型車の駐車スペースとなっている。そちらから、禿の軍団が迫ってくる。手に手にFN社のFNCを携行している。
「禿が全部アル・パチーノに見えてきた」
和三郎が首を振り振り呟いた。ヒルヒルが面白そうに、
「大きな晩餐会のテーブルに禿がずらーと並んで俺を見つめていやがる」
と青野武風にぼそぼそ。
ヒルヒルが『ヒート』劇中のハナ刑事のセリフを囁きだしたので、和三郎がヒルヒルに向き直る。
「俺は溺れる夢は見ないし、溺れる寸前で決まって目も醒めないからな」
和三郎がデ・ニーロが返した言葉を混ぜ返し、向かってきていた禿に3点バースト。
「どういう意味だ? ……ごめん、今のチーチ・マリンになっちゃった。青野武難しい」
青野武風に返事をしたのだが、ジョー・ドミンゲス刑事になってしまった。
「青野武の真似ができる時点で、既に何かおかしいの!」
運転席のドアに隠れつつちょっと身を乗り出し、カデちゃんはレミントンM870をズドン。駐車してる車の隙間から迫ろうとしていた禿の胸元を直撃、反動で禿は後方回転しながらぶっ飛んでいった。
「ほんとこの二人は緊張感無さすぎっす」
カデちゃんがぼやく。前方に禿軍団が居るというのにふざけ合っているのだから、言われても仕方がない。
「カデちゃん、撃っちゃってからなんだけどさ、そのレミントンはだめだろ。おまけに散弾だし」
と和三郎は突っ込む。和三郎は一般市民に配慮して律儀に3点バースト、命は取らず戦力を削ぐことを優先していた。
「いやいや、FNCでフルバーストされてるのに、命大事にとはいかねえっす」
仕切り直さないと青木ヶ原まで行くのは無理だろうなと和三郎は思い始めていた。
「サービスエリアをしっちゃかめっちゃかにしといて、そのまんまってわけにはいかんよな。遊軍的な立ち位置だけど、一応警官だし」
「さっき、佐々門姉ぇには報告済っす。大月から高速道路交通警察隊も向かってるそうなので、現状待機だそうっす」
ずどん。ふたりほど禿がぐるぐるとすっ飛んでいく。
現状維持って、この禿さんたちとあの強力花魁とかどうしたもんかいな。こちらに迫っていた禿たちが一斉に動きを止めて、入口方向に銃口を向けた。何事かと和三郎達は禿たちの視線を追う。
タケミナカタと大国主、出早雄ほか神様達は交通警察隊のパトカーに乗り込み、談合坂サービスエリアへ侵入し始めた。山梨県の高速道路交通警察隊に成りすました神様軍団である。本社と摂末社と狛犬人間態で構成されている。
「やつらは古のものの配下なのかね」
出早雄が尋ねる。うーんとうなりながらタケミナカタは応える。
「監視人ではないようだ。契約でもしているのかもな。注意すべきはあの花魁だな」
タケミナカタはコルト M733を構えるとフロントガラス越しにフルオートで撃ち始めた。銃弾はフロントガラスにびしびしと穴を穿つと同時に、攻撃を加えようとしていた禿を次々となぎ倒していく。
「!」
パトカーを運転していた狛犬人間態が、禿の放った銃弾を受けて立ち消えた。
「しゃらごっちょの」
タケミナカタがついつい方言で悪態をついた。
だだだだだんっ。
サービスエリアの入り口からアサルトライフルの銃声が響いた。数台のパトカーがやってきていた。禿たちはこれに気づいたらしい。
「入口の方にも居たのか、禿の奴ら」
入って来たのは山梨県の高速道路交通警察隊なのだが、何かがおかしい。
「諏訪明神だっ! 神様オーラ出まくりです。ご本尊からやって来た模様!」
ヒルヒルが大声で和三郎に告げる。
「あれ、みんなやりたがるんだよな」
フロントガラス越しにバリバリと禿めがけて射撃している。はて、カデちゃんのレミントンもそうだけど、アサルトライフルは日本の警察の装備にはなかったよね?
「『ハント』の東京市街地銃撃戦でもUZIでやってましたよ。『アウトロー』では変則的だけど、リアとフロントぶち抜きで狙撃してました!」
ヒルヒルが満面の笑みで和三郎に応える。ヒルヒルというか神道系は銃撃戦大好きかっ。
「そう言えばヒルヒルは『御仏アブダクション事件』で、曲芸みたいなことやってたよな」
「あれはねー、一度やってみたかったんです。『ネメシス』のアレックス・レイン!」
「ニールと気が合うんじゃないの」
「やっぱり、そう思います。きっとねー、タケミナカタ世界限定100着ジャケット着てますよ」
ドライバーが狙撃されたのか、駐車していた車に突っ込んで止まったパトカーから降り立ったのは、先ほ
どかき消えたタケミナカタだった。バリバリとコルト M733を連射しながら、こちらへ向かってくる。
ジャケットから予備のマガジンをべりっと剥がして交換している。
「あれ使いたかったんだな」
ヒルヒルが大きく頷いている。
その横には、クリス・シヘリス、少し遅れてマイケル・チェリトの姿も見えた。忠実に『ヒート』の銀行強盗チームを再現しているよ、この神様達は。
タケミナカタは入口側の禿を一掃して、こちらのハイエース前に合流してきた。
「遅くなって済まない、摂末社の連中に声をかけて来てもらったよ」
タケミナカタがあの声で喋る。
「どうも大国主です」
クリスの顔が喋りだす。
「ヴァル・キルマーで大塚芳忠だあっ」と心の中で和三郎は嬉しさを嚙み締めたつもりでいた。
被さるように
「ヴァル・キルマーで竹中直人じゃなくって良かったぁっっ!」というヒルヒルの叫び声が聞こえた。ああ、二人とも心の声が外へと駄々洩れだったようだ。
「今はバットマン縛りじゃないから、ね」
大国主が困った顔で答えた。声はもちろん大塚芳忠だよ!
マイケルじゃないや出早雄が、リンちゃんと意気投合したのか、笑顔のリンちゃんを左腕で小脇に抱えてぐるぐる回りながら、禿を狙い撃ちしている。
「出早雄、眉間撃たれないようにな。えーと、和三盆、さっきの話の続きをしよう」
ということで諏訪神社軍団の投入なんですが、
どうにも自分の中の歯切れが悪い。どうにも納得いかない出来になってます。
一旦ここまでで上げます。
加筆修正はがしがしやりますので、一旦ご勘弁を。




