2 和三郎 甘党だと決めつけられる
おおー2回目も投稿できた。
すでにグダグダし始めてるな。
あれもこれも欲張ってしまうな。
2024/5/21 サービス過剰かとは思うけど、いろいろ不安になるのでメンテナンス的追加補足。
「いるる」
「うん、やっぱり気になるよね」
白い壁のオープンスペースな広い部屋。真ん中あたりに机は集められて、モニターが乱立している。オフィス的な匂いのする場所。暗がりの中でモニターの光を受けて、浮かび上がる人影がふたつ。
ひとつは椅子に座った青年。もうひとつはその横でぴょんぴょん飛び跳ねて、机上のモニターをのぞこうとしている少女。
青年は少女に語りかける。
「きっとさ、甘党だと思うんだ」
「るる?」
「なまえが和三盆と似てる。
韻を踏んでない?
“ああんおん”と和三郎」
「るー?」
「ちょっと苦しい? うーん、じゃ山ぶどう。
これは韻を踏んでるよ。
ほら、やっぱり甘党だ」
青年は満足そうにうなずいた。
少女は緑色の瞳で訝しそうに青年を見つめた。
「甘党だといいな。仲良くなれそうだ」
青年はにへらと相好を崩した。
少女は青年を見上げながら呆れた感じで腕組みをした。
「張り切ってどうぞ!」
と婦警さんが案内してくれるわけではなかった。
女子高生に案内されたのは、立派な白い部屋だった。
薄暗い資料室じゃなかったので少しほっとした。したんだが、だだっ広いオフィスの奥に、いくつも乱立するあのハンドルがついた大きなグレーの箱って、レール移動式の書架だよな。
ってことはやっぱりここは資料室的な、そういう的な何かなのか?
なんでか女子高校生が同僚にいるという時点で、いやだなあ、こわいなあ、おかしいなあ、なのにさ。
ひげ生やしたおっさんじゃないけど、肩の辺りさすって、球体関節人形の話でもしたくなるよねえ。
あのでっかい書架は、やっぱりああいう的な何かを表しているよね。
しかも入口が尋常じゃなかったのだ。
小泉八雲記念公園の横に区立大久保小学校がある。小学校の校門へ淡島クンがでっかいケースをガラゴロさせながら、先導してくれた。淡島クンはそのまま小学校の敷地内にずんずんと入っていく。
「こっちでいいの?」
「はい」
うなずいた彼女のポニーテールがひゅるんと翻る。
位置としては、小泉八雲終焉の地の真裏になる。
そこに設置されたエレベーターで地下へと降りていく。
ああ、
やっぱり地下なんだなあ。B.P.R.D.も地下だったよね。あれ? どっかのミュージアムみたいなとこだったっけ?
「……?」
やっぱり普通じゃないのだ。自分は普通じゃない場所に赴任するのだ。もう覚悟を決めるしかないのだろう。
毒を喰らわばサラマンダー。
生半可な判断なんてマザーファッカー。
あ、なんかかっこよく韻を踏めたね。
休まず3回目も行けるように。
この頃は初期設定どおりに進めようとしていた。
『GRIMM/グリム』的な妖怪、あやかしプロファイリングみたいな話ですね。
いや、まだそれはあきらめてなくって、そういう話もやる予定。