表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒルコの娘は常世と幽世の狭間で輪舞を踊る  作者: 加藤岡拇指
御仏アブダクション 何かが空をやってくる
18/136

18 リンちゃん、天使の翼で舞う

リンちゃん大活躍のまきー

パチッたもん、縮めてパチモン。

人類が空想、妄想した生き物は、100、200、300、いや、それ以上かもしれない。

それを召喚可能にしたマルクト乙式魔導札。

アンジョウ博士が、最初のマルクト乙式魔導札を開発し、ケンゾーがゴブリンのリンを呼び出したのが最初だった。

これを知ったあらゆる秘密の組織が、幾多の試練を乗り越えて、マルクト魔導札の互換亜種魔導札を開発した。亜種にもいろいろあるけれど、公安組織ではそれを総称して亜種、これを行使する者たちを亜種遣いと呼んでいた。

公安8課の亜種遣い撲滅のための戦いは今日も続く。続くったら続く。


「というわけで亜種遣い(パチモン)と戦っているよ。パチモンって説明してないか。あとで教えちゃうよ。こっちが終わったら、教団施設にお邪魔しようと思うんですがよいですか? よいですか、ありがとう。じゃあ、よろしくねー」

ケンゾーは和三郎のケータイに留守電を残してから切った。

前方を見やると路地のコンクリート壁の切れ目から、リンがひょこりと顔を出した。白かったワンピースはところどころ土ぼこりが刷り込まれて汚くなっていた。衝撃波の直撃を受けた頭部からはうっすらと血が滲んでいる。

「不意打ちだったけど、平気?」

リンはるっと大きく頷いた。

「あれはルシファ亜種(天使のパチモン)だね」

「るーっ!」

ルシファ(マジ天使)とは、以前やりあったよね」

「るるるる、るーるる」

「そうそう、ズタボロにしてやったね。あれはルシファ亜種(天使のパチモン)だから、楽勝だな」

「るっろろるるっろるー!」

 リンは力こぶを作ってみせる。

「やつの衝撃波はひきつけるんで、懲らしめてやりなさい」

「るっ」


水戸黄門的指示をリンに出したケンゾーは、早速さっきよりも目立つ形で、建物から身体を半分ほどさらしてみる。

再びルシファ亜種(天使のパチモン)は大きく口を開き衝撃波を発生させる。


がががりがりりりぃ。


建物壁が抉られていく。


建物が抉られた同タイミングで、高速で躍りかかったリンによってルシファ亜種(天使のパチモン)の翼が引き千切られた。リンは引き千切った翼で以て、ルシファ亜種(天使のパチモン)の隣に突っ立っていた亜種遣い(パチモン)をぶん殴った。

天使の翼がめりりめりめりと鼻の軟骨を砕いていく。亜種遣い(パチモン)はどぶりどぶどぶと大量の鼻血を噴き出した。


「るっるるー♪」

「ドッキリ大成功じゃないんだからさ」


勘解由小路出てくるはずだったんだけどなあ、もうちょっと後のようだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ