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ヒルコの娘は常世と幽世の狭間で輪舞を踊る  作者: 加藤岡拇指
八雲式端末 其の弐
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140 シバテツと猫背のミネギシの再会

とりあえずこんな感じか。

また書き足すかもしれず。ていうかシバテツ、ミネギシと再会してないじゃん!


書き足します。


2025/09/30 後半を大幅に書き足す。なんとか再会できました。あれ、谷山さんと吉田クンは霧にまかれて、違う世界へ渡ったはずなのだけど。流れからすると105話の谷山さんと吉田クンのはず。思い付きで書いているからなんか変なことになってるよ。

また少し書き足す。

「宇宙大作戦だね」

「1979年公開。大ヒットテレビシリーズ『宇宙大作戦』の劇場用映画第1作。メインテーマの後そのままクリンゴンバトルへ続く冒頭シーンは大好きなんすよ」

シバテツが嬉しそうに語る。うむうむと大きく頷きながら師匠は電話に出るように促す。シバテツは大きく頭を上げ下げしながら電話に出る。

『ぼくだよー』

電話はオーナーからであった。

『行って来いよ。気にしなくていいから。シバテっちゃんが行かないと死んじゃうんだものね』

シバテツはオーナーの言葉に驚く。初対面の時からこうだ。オーナー自身はオカルト的な力はないと言っているのだけど、なんだろうか、こう見透かされている? そうそう、度々見透かされているという居心地の悪い気分を提供してくれる。今もそうだ。オーナーには断りを入れなくてはと思っていたところに、ばっちりのタイミングで連絡が入る。次に自分がどんな行動をするか、先読みされている気がする。

「オーナー、やっぱり見えてるでしょ」

『えー、たまーにだよ。ニコラス・ケイジより精度は悪いよ』

「またまた。『NEXT -ネクスト-』のクリスよりは先が見えるっすよね」

ニコラス・ケイジが演じたクリスは2分先の未来を見ることができた。

『ハハハ

それじゃあ、シバテっちゃん、死なない程度にね』

「はい」

『師匠に宜しくね』


オーナーとの電話がシバテツの背中を押した。この際、見透かされていようがされていまいが関係ない。シバテツの腹は決まったらしい。ああ、まるで香港ノワールの主人公みたいだな。『男たちの挽歌』以降、隆盛を極めた香港ノワールもの。その後ブロマンスなどと言われるようになる男同士の友情ものの源流とでも言ったらいいんだろうか。その主人公たちは、友情や義理人情の為に、後先考えずに火中の栗を掴んでしまうんだよ。今の俺じゃないか。でも自分はどう見てもチョウ・ユンファじゃあないな。せいぜい、鉛玉が頭の中に残ったためにイカレテしまったジャッキー・チュン? いやいや、破産したチャン・チェ監督救済のためのチャリティ映画『義膽群英』のダニー・リー辺りかな。けっして『狼 男たちの挽歌・最終章』のダニー・リーではないな。

「自分は汚泥に塗れるっス」

語尾に『っス』がつく時点で、ダニー・リーでもないか。

頭の片隅でそんなことを考えながらも、シバテツのただでさえ険しい目つきが、決意のこもった怪しい目つきへと変貌していく。

師匠は自分の不注意で2度も失った家族のことを思い出したのだろう。何とも言えない表情を浮かべてシバテツを見つめている。

師匠は大きく息を吐きだすと、ひたっとシバテツを見つめる。

「それでは、いざ汚泥の中へ……とはいったものの、この店ってワンオペだよね」

「そうっス。あー、店閉めなくちゃいけないのか」


店のドアがそーっと開いた。恐る恐るといった感じで中肉中背の男が顔をのぞかせた。その男の右脇の下からにょきりと女の子が顔を出した。

「ちょっと谷山さん」

谷山と呼ばれた女の子はキラキラとした眼で店内を見回した。

「吉田クン! 住所はあってるみたい。あ、あたしは谷山! んでこっちが吉田クン!」

どうもと吉田クンと呼ばれた男が少しだけ頭を下げた。

「谷山さんと吉田クンっすね。すみません、ちょっと急用が入っちゃって、店を……」

シバテツが言いかけたのだが、谷山さんが吉田クンの右脇の下から這い出るように店内に入って来る姿に、一瞬沈黙してしまった。さ、佐伯伽椰子かよっ!

「無問題! オーナーに頼まれたの!」

「ん?」

「あの、オーナーさんにスカウトされてですね、シバタさんの代わりに店を、こう切り盛りしろって」

「切り盛りっすか……それ、今日ついさっき言われた?」

「はい、というか駅前で声を掛けられて、ちょうど行く当てもなか、いやなんでもないです」

自分と同じシチュエーションだ。急にスカウトされてそのままOJT……。

「うんふふふー。後はあたしに任せて! 任せて!」

白いワンピースの裾をひらひらと揺らしながら、谷山さんが落ち着きなく、されど自信満々に声を上げる。まあ、あのオーナーがスカウトしたんだから大丈夫か。

シバテツはそう思うことにした。


店を出たシバテツたちは駅へと向かった。世尊院側の道は工事中のため片側通行となっていた。迂回する順路に従うのだけど、歩道橋を渡って向こう側へ渡らなくてはいけなかった。

「なかなか面白い迂回路ね」

毒島伽緒子が感想を呟きながら、階段を駆け上がる。上がりきったところで立ち止まり、こちらを見た。その顔が少しひきつっている。

「し、師匠ぉー」

何事かと師匠と共にシバテツも階段を急ぎ足で昇りきる。


阿佐谷北一丁目歩道橋。


その歩道の真ん中辺り。背が高いのだけど、猫背のシルエットが立ちふさがっていた。時折吹く風に、コートの裾がたなびいている。シバテツは数日前に見た事のあるフォルムだと気付いた。


「シバテツは私のモノだです。最初は少しだけ圧力かけて、だんだんとだんだんとですよ。まだまだ、追い詰めるつもりでいたです。もっと精神的にじわじわじわじわ責めるでしたですのに。焦燥していくシバテツの顔でごはんが進むはずなのでしたのに。なぜに邪魔するですか。おまけにカートリッジも横取りするですし。

もう、容赦なしです」


ミネギシは苛立った錆色の声で宣言した。


それを受けて師匠がニヤリと笑う。

「Go ahead, make my day.」

「ぷっ」

毒島伽緒子がこらえきれず吹き出した。え~という困惑顔を師匠は浮かべた。

予約が全然取れなかったので万博で大屋根リングをぐるぐるしました。

日常の延長なのだけど、日常ではない景色が見える変な空間でした。

自分が一番テンション上がったのは道頓堀のグリコの看板。ようやく『ブラックレイン』の聖地を訪れた気分ですわ。

『朽ちないサクラ』鑑賞。ところどころ入るクサイ演出と、盛り上げ系音楽がいただけない。それ以外は概ね面白かったです。

『アンティル・ドーン』鑑賞。すでに『Cabin』でやっちゃってる手法だなあ。ジャンプスケアぱかりでもったいない。いろんなホラーのシチュエーションが一度に見られるのは楽しかったなあ。

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