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ヒルコの娘は常世と幽世の狭間で輪舞を踊る  作者: 加藤岡拇指
八雲式端末 其の弐
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130 シバテツとハナの置き土産

ヤクモデバイス編。今のところシバテツはご飯が進むなあ。

「それ何? 真っ黒すぎ!」

スナック人形つかいの見えるママさん、見附さんは大きな声を上げた。

シバテツがハナから預かった謎の箱。

こいつがとっても素敵に真っ黒に見えるという。

「黒ってことは、死んじゃうってことっすか?」

「人のオーラが真っ黒だと、そういうこともあるけどねえ。この真っ黒は不吉なのよ。悪いことを呼び込んじゃうと思うの」

オーラの話はオーナーが教えてくれた。店の運営のことは教えてくれないのに、こういう蘊蓄はたくさん教えてくれる。

シバテツはオーラは生命から発する霊的な光だとイメージしている。宗教画のイエス・キリストとか聖母マリアの頭の辺りから放射状に広がる天使の輪的なもの、仏像なんかの後光などはオーラをわかりやすく解釈したモノだと思っている。見える人が見ると、人それぞれ色合いが違い、その人の性格やその時のコンディションなどが判るそうだ。

黒い色はその人に死期が近づいていることを示唆しているという。まああんまり喜ばしい色ではない。ハナのカートリッジはそんな死の色に染まっている。ものすっごく黒いらしい。


「預かりモノなんでしょ? 持ってきた人に返さないとダメよ。

ほんとの持ち主は亡くなってるみたいだからね。

このままだときっと良くないことを呼び込むわ」


見附さんは両方のこめかみに人差し指をあてて、シバテツを見ながらはっきりと言い切った。

「ほんとの持ち主は死んでるって……」

見附さんは大きく頷いた。

昼間にいやな感じがしたそうで、その感じを辿ったらここに行き着いたそうだ。


返すと言っても自分はハナの連絡先を知らない。誰かしら知ってるだろう、じゃなきゃSNSにDMでもすりゃあいいんじゃないか。安易に考えていたのだが、ハナのことをみんなは知っているのだけど、連絡先を交換した者は皆無だった。SNSもやっていないことがわかった。

「じゃあ、ハナが店に来るのを待つしかないか」

シバテツは呑気にそう思った。


ハナはカートリッジを預けた日から、ふっつりと現れなくなった。

おそらく、見える人の見える世界はレイヤーになっているって話をするつもりだったので、その辺は映画『コンスタンティン』を例えに使いながら追加されると思う。


『メタモルフォーゼの縁側』を読んだ。芦田愛菜が主演で映画化されたので気になっていたのだけど読んでいなかった。3巻あたりでもう涙腺が……。

続けて映画も観た。焦点が甘くなってるところもあるけど、でもうまいことエッセンスを拾うのだなあと思った。コミックスのシーンが頭を過るので、相乗効果で余計に泣けてきた。

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