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ヒルコの娘は常世と幽世の狭間で輪舞を踊る  作者: 加藤岡拇指
八雲式端末 其の弐
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127 ハナは本名を名乗らなかった

ヤクモデバイスのお話しです。

中途半端です。書き足します。


2025/05/12 ということで少し書き足す。

2025/08/08 やっぱりいいろいろ気になって来た。ハナの現状をもう少し詳しく。

もう言い切ってもいいよな。

シバテツはまたもやホーセズ・ネックを完成することができなかった。あの店でハナはドリンク代を払ったことはないと気がついた。でも、食事代は払っているな。あそこはドライカレーやスープカレーがおいしいのだ。ついつい食べてしまう。

「全くシバテツはシバテツだなあ。……って、なんでシバテツ? 名前の短縮形?」

「ああ、その通り。姓は新発田、名は哲也。略してシバテツ」

「丹下左膳の名乗みたーい。えーと、シバテツって呼ばれてるのは昔から?」

「そうだな。んー、確かに……。昔からシバテツって呼ばれてるな」

シバテツは、自分が小さい頃からシバテツと呼ばれていたことを初めて認識したようだ。

「私も昔からハナだったな」

「本名?」

「そうだよ。ハナはハナ」

苗字を知りたそうにシバテツは返事を待ったが、ハナはワザと答えなかった。シバテツもしつこく訊くことはせず、客が注文したカンパリベースのカクテル、アメリカーノを作り始めた。

「知ってるか? このアメリカーノを初めて提供したのはカフェ・カンパリってイタリアのカフェだったんだぞ」

「へー、じゃあこのカンパリってのも?」

「そうだよ、ガスパーレ・カンパリってイタリア人が創設者だよ。今じゃ巨大な飲料会社だけどな」

シバテツはカンパリを生み出したガスパーレ・カンパリのことは知っていた。お酒のことは調べられるだけ調べた。知識として頭の中に詰め込んだ。だからといってひけらかすもんでもないだろう。てなわけで、目の前の陽気なお客・アンビルの話に合わせたわけである。

店に立ち始めて最初の頃。何もできない自分のことが、悲しくて悔しかった。今は少しは喋れるようになったと思う。だがまだまだだとも思う。

サッカーの司令塔とか、オーケストラの指揮者とか、いろいろと例えられるバーテンダーであるが、自分はその域には達していないと思う。話題は豊富にあった方が良いのだろうと、ニュース番組は欠かさずみるようにはなった。思想とか政治とかはよくはわからんが。


アンビルさんと話を終えて、ハナを見た。いつもはニヘラと笑い食べ物を注文するのだけど、今日は硬い表情のままだ。

「何か気になることでもあるのか?」

「うん? わたし、変な顔をしてるぅ?」

「いつもより表情が硬い気がするんでね。何かあったのかなと」

「うーん、ん? なんでもないよー」

「そうか、ならいいんだけどさ」

「へへ、なんでもないよー、なんでもないよう♪」

ハナは陽気にメロディをつけて歌い出した。

「ほんとに心配してるんだよ」

「てへへー」


ハナは帰宅した。

後ろ手でドアを閉める。

パチンと灯りのスイッチを入れた。

何もないがらんとしたワンルームの部屋が視界に入って来る。ベランダに面したカーテンは遮光の施されたカーテンでしっかりと閉められている。

マットレスと薄手の毛布。それ以外はほとんど何もない部屋。

ここは私の居場所ではないから。


太っちょから

「もう使わない。それはいらなくなった」

と手渡された、なぞの四角いカートリッジはシバテツに預けてしまった。

うっすらとそれがなんであるか知ってしまった。

人格を変えるモジュールらしい。

なんだか怖気づいてしまった。手許に持っているのも怖くなったので、何も知らないシバテツに預けてしまった。

あれから太っちょと連絡が取れなくなった。

あの四角い箱を持っていたら身を亡ぼす。

ハナはそう思っていた。

観ましたよ『新幹線大爆破』。まさか1975年版の続編とは、にやりですな。犯人の正体判明以降、テンションだだ下がりっていう方が多いなあ。あの犯人の動機がわかんねえ、共感できねえってのが多かったなあ。IMDBの方がそういうのが顕著だった気がする。あの動機とか犯人を取り巻く環境が非常に日本的過ぎたのでしょうな。1975年版と同じ理由、動機にしてたらもっと世界の人からは共感得やすかったかもしれないねえ。でも1975年版もなんで高倉健がああいう状況であるかには言及してないんだけどな。

逆に当時のような犯人の犯行に至るまでに何があったかを延々見せられるのは苦痛だよなあ。

千葉真一が運転士やってる1975年版あらためて観たけど、一番面白いピークが上りと下りをぎりぎりで入れ替えするシーンだった。以降は犯人たちの動機説明に尺使い過ぎだし、新幹線は爆発しないし。

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