表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒルコの娘は常世と幽世の狭間で輪舞を踊る  作者: 加藤岡拇指
八雲式端末 其の弐
130/144

126 シバテツは痛いのが嫌いなバーテンダーである

新発田哲也降臨!

書き足すと思います。

2025/05/08 後書きを追加修正。

シバテツはバーテンダーである。

シバテツは人相が悪い。

短い中途半端に明るい金髪、きつい度付きの眼鏡の奥から小さな吊り目が覗く。

シバテツは人相の悪いバーテンダーである。


倶利伽羅紋紋(タトゥー)は入れていない。

痛いのは嫌いだからだ。ブリーチした際に強烈な薬品の刺激による、頭皮に走る痛みさえも我慢できないくらいに、痛いのは大嫌いなのだ。肌に細かい針を刺して、そこに染料を刷り込むなんてことは想像しただけで、気が遠くなってしまう。

たまたまだ。たまたまものの試しにとブリーチをしたのがいけなかった。ほんとは真っ白になるまで色を抜いて、ちょっと渋めの灰色にでもしようなどと、軽い気持ちでブリーチに手を出したのだ。


痛すぎて、頭皮が、幾万幾億の毛穴が痛みを訴えてくるのだ。とーっても我慢ができなかったよ。

おかげで中途半端な明るい金髪になってしまった。自分の髪が肩まで伸びて、黒い部分が多くなったら、普通の髪色に戻そうと思った矢先に、

「いいよ、もっともっと良いよ。その頭にしちゃおう。ちょっとこわもてのバーテンダーで行こう」

というオーナーの言葉をいただいてしまった。


頭のてっぺん、付け根の辺りが黒くなり始める、ドーナツ状になる頃には、散髪してブリーチをかけ直す。頭皮が痛いので、やっぱり途中でやめてしまう。中途半端な明るい金髪が出来上がる。


カウンターに向かいながら、洗い物をしていると視界の隅にごとりと何かが置かれる音がした。音からすると金属製のなにかであろう。そう考えながらカウンターに視線を移した。

何やら黒い直方体がカウンターに置かれている。

「なんだい、こりゃ?」

シバテツが目の前のカウンターに座ったハナに尋ねた。

「ま、まあ、まあいいから、いいから。

シバテツさあ、これとりあえず預かってくれないかなあ?

ダメ? え、いいよね? ね? ね?

やったあ!

シバテツ最高! 大好きだよおぉ!」

「いや、いやOK出してないけど……

大好きと言われちゃあ、しょうがない」

シバテツはハナの強引なお願いに従うことにした。


「シバテツ! いつもの頂戴な」

そう言ったハナは何とも言えない笑顔を浮かべる。彼女は特別なオーラを放っているのだろう。彼女を中心にこの小さなバーが、ほわっと明るくなるのだ。

シバテツはうんと頷いた

「ホーセズ・ネック、38回目の挑戦だな」

「そそ。連敗街道まっしぐら! シバテツ殺すにゃ刃物はいらぬってね。さあ張り切っていきましょう!

ホーセズゥゥゥゥ・ネェェェッック!」


「うるさいよ」

シバテツは呼吸を整えてレモンの皮を剥き始めた。

皆さん察しの通り、ハナから預かったものはあれです。


ギャレス・エヴァンスの『ハボック』鑑賞。ジョン・ウーよりもジョン・ウーしてるよ!

血糊の量も半端ない大銃撃戦絵巻が展開するんだよおおおおおおおおおっ!

久々に興奮ですよ。

そんでもって劇中で『男たちの挽歌』挿入歌「免失志」が一瞬流れます。

チョウ・ユンファ演じるマークが楓林閣にて大暴れする寸前、植木鉢に拳銃を隠すシーンで流れます。

歌うは台湾の福建語ポップミュージック歌手の 陳小雲!

https://www.youtube.com/watch?v=tj3QrbW6AhM

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ