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ヒルコの娘は常世と幽世の狭間で輪舞を踊る  作者: 加藤岡拇指
海百合からの挑戦 青木ヶ原樹海 暗黒舞踏変
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123 和三郎とシュタ公の羆嵐

熊大暴れです。『恐怖!パニック!!人喰熊史上最大の惨劇 羆嵐』が異様に観たいが、おらの環境では観られないのですよ。『リメインズ 美しき勇者たち』で紛らわそうか。

吉井昭の原作小説はほんとにほんとに凄惨なんだよな。ドキュメンタリータッチな文体がより凄惨な事態を浮き彫りにしていて、これはこれは凄まじいのよ。


2025/04/28 唐突なシュタさぶろう呼びにワンクッション置くように修正。あとなぜか、前書きとあとがきがボリュウムアップ!

「闘士ゴーディアンやバイカンフーの気分? いやどっちかというとUFO戦士ダイアポロンになった気分だな。体は巨大化しないけどさ」

ダイアポロン、複数のロボットが合体変形を行った史上初のロボットアニメである。合体ならぬ「合身」後、主人公がロボット内で巨大化するというフリンジ・サイエンスの雄である。

「考えてみるとアポロンヘッダー、トラング、レッガーって、中身空っぽなんだよな。どういう構造になってたんだろ?」

シュタ公in和三郎(要はシュタ公の皮を被った和三郎)は自分を弾き飛ばした多脚人面戦車に向かって、のっしのっしと歩みを進める。シュタさぶらうを視界に捉えた人面戦車は威嚇するように多脚の前足部分を持ち上げ、銛をきゅるきゅると回転させた。

「あれ、廻るんだ」

シュタ公in和三郎は多脚人面戦車の動作に感心しながらも、歩みを止めない。そのまま、レッサーパンダやアリクイの威嚇のポーズ、両腕を肩より上にあげた状態で、のっしのっしと人面戦車へ迫っていく。


「あはは、良い具合に混ざり合っておるな。あれは和三郎であって、和三郎ではないな。シュタさぶらうとでも呼ぶべきかの」

鳰鳥姉さんが下した多脚人面戦車を踏みつけながら宣った。


体勢を立て直した多脚人面戦車は、口から伸びた銛を回転させながら、シュタさぶらう(シュタ公in和三郎改め)に肉薄する。

シュタさぶらうはその銛を両手で無造作につかんだ。

シュタさぶらうの両手は、わたぽこを内包した布製のミトンなのに、なぜかガリガリと火花を散らす。ちょうど腕が三角の形になった。


「三角で受けて!!」


和三郎が叫ぶ。受け止めたミトンが銛の回転を止めた。シュタさぶらうは銛をグイッと引っ張った。めきめきと音を立てて、人面戦車の口が裂けていく。銛を回転させていたと思しき歯車がぽろぽろと地面に零れ落ちる。


「丸で攻めて!!」


シュタさぶらうは両手を左右に振る。すると右手のミントから5本のロケット弾が姿を現した。左手を人面戦車の口へと突っ込み、裂けた亀裂をさらに大きく広げた。そのまま右手を口の中へと突っ込んだ。


「四角で抑える!!」


シュタさぶらうは人面戦車の口の中でロケット弾を炸裂させた。人面戦車の滑らかな曲線を描く金属の肌が、ロケット弾の爆発に合わせて内側からぼこぼこと泡立つように隆起していく。金属の継ぎ目からは火花が洩れる。それまで抗うようにがしゃがしゃと蠢いていた多脚が沈黙する。


「攻めも抑えるもしてないじゃん。

合気術でもなんでもないじゃん」


外骨格のような9番義肢の両腕を振り上げて、ヒルヒルがぷんすか怒っていた。

『新幹線大爆破』祭中。1975年『新幹線大爆破』から、2025年『新幹線大爆破』を続けて見ているところ。上りと下りの路線入れ替えがよりスリリングになっておりましたな。

どうも同じ1975年公開の『東京湾炎上』と『新幹線大爆破』が混ざって記憶していたようで、犯人の要求で新幹線が爆発するシーンを特撮で撮影して、これを見せて本当にこんなことになったと納得させるというオチだったと、ずっと思っておりました。実際は新幹線は爆発しないんだよな。ラストの空港での逃走シーンは『ブリット』がお手本なんだろうな。

あれは後年『ヒート』が踏襲進化発展させている。素晴らしい光と影の演出で魅せますよねえ。

すごいぜ、マン!

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