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ヒルコの娘は常世と幽世の狭間で輪舞を踊る  作者: 加藤岡拇指
海百合からの挑戦 青木ヶ原樹海 暗黒舞踏変
125/144

121 和三郎 樹海で祓の詞を唱えるのまきー

人面多脚戦車を駆逐せよ!

いろいろ追加の予定。

2025/04/11 いろいろ描写を追加。

ぽうっ。

タケミナカタが放ったM203グレネードランチャーの音が響く。人面戦車に着弾した擲弾が爆発する。

しゅこっ。

タケミナカタはバレルを押し出し排莢すると、次弾を装填して発射可能状態へ戻す。金属の筒がこすれる高音が手許から漏れ聞こえる。

少し遅れて迫って来ていた人面戦車と対峙した古傭兵團と神様団の攻撃が始まった。歩行できなくしてしまえば良いであろうと、タケミナカタ達の攻撃は多脚部分へと集中した。銃弾も弾き返す黐竿が正確に多脚の関節部を切り裂いていく。鳰鳥のファイヤーランスが戦車と多脚の付け根を執拗に狙う。

堪らず2匹目の多脚人面戦車はバランスを崩して倒れ伏した。

タケミナカタが人面戦車の口めがけて擲弾をぽうっと放つ。数舜の後にくぐもった爆発音とともに人面の隙間から火花が上がる。

しゅぽっ。

無造作にタケミナカタが排莢した空薬莢が、ゆっくりと回転しながらもはや金属の塊へと帰った人面戦車の頬に落下し、奇妙な金属音を鳴らした。その情景は『戦争のはらわた』の我らがシュタイナー伍長が映画冒頭で投げ捨てた空の弾倉がくるくると宙を舞うような、さながらスローモーションの動作だった。


満州男バスターは押さえ込んだ人面戦車に蹴りを連続で放ちつつ、右腕に装備されたマシンガンで、気づくと戦列に加わっていた3匹目の人面戦車を牽制している。

「あれは天龍源一郎張りのサッカーボールキックだな」

白糸台が解説を始める。

「いや、どちらかというと押さえつけてのサッカーボールキックだから、デンジャラスKこと川田利明のステップ・キックじゃあないか?」

中島敦が白糸台の解説に異を唱える。

特型装甲車の陰、さらに土偶戦士ロックの後ろに隠れながらの解説である。吉田警察署から派遣された警官隊はあまり戦力にはなっていない。


戦いの中で和三郎が柏手を打った。

その瞬間静寂が辺りを包んだ。

和三郎は祓えの詞を唱え始める。

和三郎の頭の上にシュタ公がどやーと仁王立ちしている。

大きく大きく和三郎が息を吸い込んだ。

和三郎は低いながらもキレの良い撥音で祓の詞を吟じ始めた。


()けまくも(かしこ)

伊邪那岐大神(いざなぎのおほかみ)

筑紫(つくし)日向(ひむか)(たちばな)

小戸(をど)阿波岐原(あはぎはら)に、

御禊(みそぎ)(はら)(たま)ひし時に

()()せる

祓戸(はらへど)大神等(おほかみたち)

(もろもろ)禍事(まがごと)(つみ)(けがれ)

有らむをば、

(はら)(たま)

(きよ)(たま)へと(まを)す事を

聞食(きこしめ)せと、

(かしこ)(かしこ)(まを)す」


唱え終えるのと同時に和三郎の頭の上で異変が起こった。ぴょんとシュタ公が和三郎の頭の上で軽く飛び跳ねた。

すると一瞬でシュタ公の身体が5メートルほどの球体状に膨れ上がった。

腹部にぽっかりと穴が開いて、和三郎の身体にまとわりついていく。

「あれあれ? でっかくなるんじゃないのか!?」

「いあっ!」

そのまま和三郎はクマの毛皮にぬるぬると呑み込まれていく。

「こ、これじゃあまるで強殖装こっ……」

和三郎はシュタ公の体内にすっぽりと呑み込まれてしまった。

ああ「秘密」が終わってしまった……。

地上波って縛りがあったからの、あのキレキレ骨太演出だったのかと思うんだけど、

もっとがっつりとやってほしい気もする。


「ちゅだけんじろうでしゅ」

カルカル団の1話は笑ってしまった。

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