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ヒルコの娘は常世と幽世の狭間で輪舞を踊る  作者: 加藤岡拇指
海百合からの挑戦 本栖湖派出所攻防戦
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97 暁裕次郎と那由多廸子、ヤクモデバイスをこき下ろす

髙石あかりちゃん,朝の連ドラ主役決定記念。

というわけではなく、前から考えていたんだけどね。


2025/05/07 ダディとモディのくだりを削除修正。開發恵ちゃんはこの時点で存在を知らないのですよ。

「それ、使えないって話になったよね?」

開發恵が電話越しに冷たい声で返答している。

「いまさらそんなもの引っ張り出してきてどうするの? あれ個人携帯でコンパクトとかそんな感じで作ったけどさ、戦闘時にあのデバイスだと対応できないって話になったでしょ。つうか、そもそもプロジェクトの初期段階で苦言を呈されていた部分でしょ。それに目を瞑って作ったはいいけど、やっぱりそれが原因でおじゃんになったんでしょうに」

めずらしく開發恵は苛立っていた。そもそもあのプロジェクトは最初から乗り気じゃなかったんだ。容量デカすぎだし、処理スピードは上がんないし、戦闘準備中にアクセスして指示を仰ぐとか、なんつうかのんびりしてるっていうか、お役所の考えそうな糞のような仕様のデバイスだった。

「デバイスがいちいち大きな音出して警告音だしまくるとか、もうね実践投入以前の問題でしょ、あれ。頭にチップ埋め込むとかさ、拡張ハードディスク直接脳みそと直結するとかしないと使いモノにならないって何度も言ったよね」

実戦投入を前提としていたデバイスが、それ以前の問題で結局お蔵入りとなった話を蒸し返されて開發恵は機嫌が悪かった。

「え? まじで?」

開發恵が素っ頓狂な声を上げた。

「どこにそのデータ流し込むんだよっ! ちょ、それヤバいって」


「それ、ダメになったやつだ」

「うん。もう初っ端からダメだったヤツですよ」

テーブルの上に投げ出された、みるからにスマホと代わり映えのしないデバイスを前に、暁と那由多は文句を垂れていた。

「だよなあ」

荒尾笊課長が頭を掻きながら呻いた。

暁裕次郎と那由多柚子は公安七課に新しく配属されてきた人員である。阿佐ヶ谷豆商店の悪夢で大量に人員を減らした、公安七課にやって来て早々、変な案件の担当にされてしまったようだ。

アレソレ関連の画期的なサポートシステムと銘打って、政府が展開しようとしていたデバイスがあった。それがこのテーブルの上に置かれたヤクモデバイスである。

「当時、こいつなんて言われてたか知ってます?」

暁が顔を曇らせながら荒尾笊に向かって言葉を吐いた。

「いやいや、解ってるよ。俺も講習受けさせられたからな。妖怪図鑑だろ」

「そこしか使えないくせに、情報は古いままだし、ほんと役立たずでしたよ」

「動きがとろくて、その場で何系のアレソレか調べようにも、固まって肝心の答えは返ってこないし」

「返ってきたらきたで、すでに任務遂行中にデカい音で喋り出して、邪魔してくれるし」

「だよなあ。ところがな、これについてきな臭い噂が聴こえて来てるんだよね。こいつが使い物になる算段があるらしいんだわ」

暁と那由多は一様に驚いた顔をみせた。

「それを探れと」

暁裕次郎の眼が鋭くなった。

「来訪者案件じゃなくて申し訳ないんだけどさ、ちょっと探ってみてくんないかな」

ヤクモデバイスはその名の通り小泉八雲からいただいております。少し前に海外ドラマの「GRIMM/グリム」ってあったでしょ、あれの日本版みたいなのできないかと考えた時期があって、単純に小泉八雲でしょと思いついたのがこれ。まあいろいろ調べたら、日本のアレソレをまとめるには不十分なので、いろいろ艱難辛苦して諦めたことがありました。また思い付きで混ぜてみました。多分あの辺とクロスオーバーしていくのかなあとうすぼんやりと考えております。

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