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神様わたしの星作り_chapter One【短編・完結済み】  作者: 草壁なつ帆
天地創造
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6.賢者ゾンビのKen

謎の芽を見守っているゾンビさん一名。他のゾンビさんに比べて賢いことを敬意して「Ken(ケン)」と名付けて呼ぶことにします。


Kenは他のゾンビさん達と同じで、上半身をぐらぐら揺らしながら過ごします。


立ち尽くしたり、歩いたり。しかし時々疲れたのか、ちょっと座ってみるのは彼だけの行動でした。


それだけではありません。砂地を殴ってみたり、サボテンの麓から上を見上げたりもするのです。







いずれも動機は不明だけども。「行動」だと判断のつく動きをされるのは結構衝撃的なのです。


なにせ他のゾンビさんたちはあんまり動かないので。彼だけは才能があると私は見込んだのです。







ある日のことでした。


Kenがシンボル兵器-SABOTEN-の麓からフラフラ歩き、謎の芽の場所へ帰ってきました。


すると謎の芽が消えています。Kenはその事に気付いてゆっくり頭を動かしました。いわゆるキョロキョロをしたのです。







私は神様ですので全て知っています。


消えたは芽は、寝そべりゾンビの下です。ごろんと寝返りをした時に踏んづけてしまったのでした。


そうとは知らないKenは、不安になったのか落ち着かない様子。次第に足元に転がるゾンビさんを気にするようになりました。


気付くか?

足で蹴るのか?

はたまた話しかけるのか?!


こちらは色んな期待が積もっていきます。







Kenは足でゾンビを突いてみます。ゾンビはまるで何も感じなく、寝転がったまま笑っています。


さすが賢いKen。今度は頭を結構な強さで蹴りました。これには寝そべりゾンビは少し体を動かしました。そして謎の芽も顔を出しました。


……しかし。

綺麗な双葉は悲しくも片方の葉がちぎれて落ちてしまっています。


Kenはその場に座り込んで、しばらくその芽を見ています。ニコニコ笑うその顔も、今は何となく悲しんでいるように見えなくもない。







そばに落ちた葉の断片を見つけて器用につまみ上げました。


そのお姿のまま、およそ4ヶ月は経ちました。

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