14.kenの家族
kenにも特定の印が描かれました。左頬にバツ印のようなイカしたマーク。そしてその印は他五名と共有しているみたいです。
私はその六名でひと家族なのだと判断して注目しました。
実際の血筋は入り交じり過ぎて破綻していますが。
……まあ皆同じ顔だし別にいいや。
"せっかくだから名前でもつけようかな"
"お手伝いしましょうか"
丁寧な物言いをする人物が私のもとに現れました。言わずもがな、そいつも新たな神です。
男とも女とも判断しようのない美顔の持ち主。その方を言神さんと呼ぶことにしました。彼は私の秘書的な役割を果たしてくれる神でした。
必要な時に必要な神が現れる。たぶんこの時も、名前をつけて覚えたいけど面倒臭い……そういう想いから生んでしまったのだと考えます。
【賢者ゾンビのken】
一番古株のゾンビです。彼はいくら知恵付いたゾンビが現れていても、断トツ天才のままでした。
祭壇を作ったのも彼です。どんなコミュニケーションを取るのか不明ですけど崇拝儀式を広めたのも彼でしょう。
【慈悲深い女性マノライ・職人コトノギ】
二人は夫婦みたいに寄り添い合っています。雰囲気では、いち家族の母親と父親みたいな感じに見えなくもない。
マノライは特別何かをするわけではありません。けれども他のゾンビさんからこぞってトマトを送られていて、いつも微笑みで返す女性でした。謎です。追求はしません。
コトノギは、トマトのツルで何か出来ないか寝ずに考えています。
【勝負師テア・勉強家メリック】
二人はよく追いかけっこをしています。一体どうなったら勝敗が付くかは謎ですが、いっつも走っています。
走りながら楽しそうに見えるのがテアで、泣いているように見えるのがメリックです。
こうなるとテアがメリックをいじめているのかなと思えますが、時々メリックが泣きながらテアを追いかける場面もあるのです。
【リーダーっぽいエシュ】
この家族にはまとめ役がいます。それがエシュです。
しかしエシュにはリーダーの素質的なものはありませんでした。
それはまた後でお話しすることにしましょう。