13.流行色はトマト色
ゾンビさんたちは元気になりました。元気になると嬉しいみたいです。昼の活動も活発になります。
そしてトマトはゾンビさんたちに好まれました。
愛されました。
ついには、敬われてしまいました。
大きいトマトは食べずに取って置き、祭壇にあげてゾンビたちでお祭りにします。
まさかあんなボロ雑巾だった生き物が、ここまでしてくるなんて……。創造神にはビックリものですよ。
どうやら彼らは、この命の恵みに感謝しようと思ったみたい。それで神という存在を理解し、このトマトの実も特別なものであると全員で認識したようです。
トマトの実は、食べる、捧げる、に終わりません。その赤色に目を付けた強者も現れたのです。
とある洞窟で見つかったのは赤色の水玉模様。果汁と砂を混ぜて壁にねりねり塗りつけて描いたものです。
いわゆる壁画が現れました。
色という概念が生まれると、色んな物に着色したがったものです。
彼らは自身の体や顔にも赤色のペイントを施して満足しました。
こうしてゾンビさんには異なった模様がつけられます。オシャレという概念。そして個性が生まれました。
簡単な模様が多かったのですが、それでもバリエーションは多いみたい。
特定の印を数人で共有することもあります。