表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様わたしの星作り_chapter One【短編・完結済み】  作者: 草壁なつ帆
天地創造
12/21

12.命の実はまさかのアレ



さて。未だ繁殖行動に明け暮れるゾンビさんたちですが、昼には平和が取り戻されました。


しかし弊害があります。これまで夜とは休む時間でした。それを休まないとなると、ゾンビさんの顔には疲労の色が出始めます。


"適度な加減でやってほしいのに……"


"だって飲まず食わずだから"


愛神さんの一言に私はハッとさせられました。







ゾンビさんたちは食事というものをされていません。そもそも食欲なんて持っていません。


別に養分が無くても過ごせていられた。でもそれは活動を始める前だったからでした。


"どうしたらいいでしょう?"


"任せんしゃい"


自身たっぷりに愛神さんは指を立てました。私にはそれが不幸の予兆にしか思えなかったのですが。私が手を出してしまうと……。なので見守ることに。







"そーーれっ!"


愛神さんが念じています。するとあの欠けた双葉の芽がキラキラと光りだしました。


次の瞬間には根の土が沸騰するみたいにモゴモゴ動き、芽は上へ横へぐんぐんと大きく成長しました。


これも「愛の力」のひとつかもしれません。やっぱりすごいです。本物の神様なんですね。







芽は立派な木にへと成長せずに、ツル科の植物として早い速度で伸びました。


黄色い花を付けています。ツルが絡まることでおそらく受粉をしたのでしょう。すぐに緑の実を実らせました。


"こ、これは!!"


実が熟すと赤くなる。

それは私も見たことがある野菜。


私が勢いで生み出した小さな双葉の芽は、何の変哲もない鈴なりのトマトを実らせたのでした。







ゾンビさんたちはトマトに群がりました。絡まるツタなので、そう高い位置には実らず簡単に収穫できます。


みずみずしいトマトをもぎ取ると、またその場所に黄色の花が咲きます。


トマトの植物は生きていて、常にうにょうにょヘビみたいにツタを動かしており少々不気味。


でも、それによって受粉→結実→収穫→開花……と、休むことなく続けられ、食糧難にはならずに済んだのです。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ