10.愛神さんから贈り物
自暴自棄に塞ぎ込んでしまった私は、はるか遠い彼方に別の星が無いか探しておりました。
旅に出たい気分だったのです。バカンス気分で踏み入れた地で、気付いたらもう十年も住んでいた……なんてものを夢見ていました。
でも残念です。
球体どころか石の破片すら回りにはありません。
太陽なのかな? と思っていた光源を目指そうにも、私は強い力で縛られているみたいにこの星から動けなかったのです。
"星を与えるってこういうことですか。偉い神様"
自分の仕事は最後までやりきれと言われている気がしました。……はぁ。
そんな時。私のもとにやってくる足音が。
"元気ないわね。しゃんとしなさい?"
またかと思って振り返ると……またです。
また現れてしまいました。
夜神さんよりツーサイズほど胸部がボリュームアップした女性が立っています。
"……失礼ですが、神様でいらっしゃいますか?"
"うむ! いかにも!!"
気さくそうなこの女神は鼻を高くされました。私はますます落ち込んで、どうぞご勝手にと視線をそらしました。
どうせ私が無意識で生んだ神様です。今度は昼の番でもしてくれるんじゃないですか?
"そう落ち込むなよー! 創造神!"
"良いもの見せてやっからさ!"
"ん? 良いもの?"
っていうかそのしゃべり方、何。
ちょうど地表にはkenら三名のゾンビが各々のスタイルで過ごしていました。
そのゾンビらに向かって、女神の両乳からは二種の虹色ビームが放たれます。
一方はkenに。もう一方はあとの二人に。
するとどうでしょう。
ゾンビたちはビームを受けてビリビリ痺れました。さすればゾンビたちの体がみるみる変形したのです。
"こ、これは……!!"
"ワタシからの贈り物だぜっ"
女神は、我ながら納得のいく仕上がりであると、大いに自分を褒めていらっしゃいました。
その性器の神……じゃなくて愛の女神様は愛神と呼ぶことに決定。しばらく一緒に星を見守ることになりました。