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売れない地下アイドル、転生す  作者: ぷぃなつ
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69 今日からマネージャーって事で

 黒木さんは小橋社長に小声で助言した。

「後、小橋社長。『オーナー』のことは……。」


 小橋社長は何か思い出した様な表情をして黒木さんを見つめた。

「ああ、そうだ。え、私なんて言ってたっけ。」

「『オーナー』はやめて例えば『プロデューサー』とか『マネージャー』にしようと……。」

「あ、そうだっけ。」


 蟹江さんはその意見に同意した。

「ああ、私もそれ気になってた。オーナーだと物や動物の持ち主みたいだから……。」


 小橋社長は蟹江さんの方を向いた。

「そう。最近そうゆうのうるさいでしょ。だからって訳じゃないけど……。」


 サユリは成程と手を叩いた。

「はい。私も何か違和感がありました。マネージャーの方がしっくりきますね。」


 叔父さんもそれらの意見に賛同した。

「確かにソフトの持ち主ではありますが、フィナさんたち見てるともう人間としか思えませんもんね。」


 小橋社長は皆の意見を聞いてから決断した。

「はい、じゃあ今日からみんなマネージャーってことで。」


 黒木さんは小橋社長に確認した。

「では、ファランクスの四人にも伝えておきますね。」


 小橋社長は少し声を大きくして張り切った。

「さあ、忙しくなるわよ! あ、サユリさんは無理しないで。あの四人はたまたまあの日来てくれてただけだから。」


 サユリはその言葉を聞いて逆に頼み込んだ。

「せめて夏フェスまでの五日間だけでも手伝わせて欲しいんですが……。」


 小橋社長は黒木さんの方をチラリと見てから言った。

「そお? それは助かるけど……。」


 黒木さんはサユリに確認した。

「ではサユリさん。フィナさんについてアンケートに答えてもらってもいいですか?」


 サユリは笑顔で返答した。

「はい。勿論構いません。」


 黒木さんは微笑みながら言った。

「では、後ほどメールで送らせていただきますので。後、できればサナさんのご意見も聞かせていただけると助かります。」


 サナは照れながら答えた。

「ええ! サナわかんないよ?」


 時間は17時を少し過ぎていた。

 黒木さんは会社に戻る為、少し早目に家を出た。


 蟹江さんと小橋社長は二人で連れ立って食事に行くと言っていた。

 叔父さんとサナはそのまま居間のソファーでテレビを見ていた。

 サユリはクレハさんに頼まれて夕飯の買い物に出かけた。


 さて、私には至急しなければならない事があった。

 しかし、肝心の蟹江さんは小橋社長と食事に行ってしまっているので連絡が取れない。

 私は取り敢えず蛯名さんに連絡を取ってみることにした。


 ええと、蛯名さんの直通はと……。

 まだ会社にいるかな?


 連絡を入れてしばらくすると蛯名さんが出てくれた。

 白衣姿が素敵だ。

「あら、フィナさん。ここ私の連絡先だけどいいの?」


 私はかしこまりながらも蛯名さんに尋ねた。

「はい。実は今蟹江さんが会食中なもので……。時間大丈夫ですか?」

 そう言えば蛯名さんと一対一で話すのってはじめてでは?


 蛯名さんは気さくな感じで応じてくれた。

「構いませんよ。あ、そうそう。デビュー決まったそうですね。おめでとうございます!」


 うわ、もう伝わってるんだ、はや!

「ありがとうございます。お陰様で何とかぎ着けました! 蛯名さんにも本当に色々お世話になりました。」

「いえいえ。で、それを伝えるために連絡くれたんですか?」

「はい。それもあるんですが、ちょっと緊急を要するお話が……。」


 私は蛯名さんに初めてのグレイマンから緑甲冑・赤甲冑との遭遇までを話した。

 蛯名さんは見ていてわかるほど困惑していた。

「成程……。」

「今の説明で分かっていただけましたか。」

「はい。ありがとうございます。グレイマンの襲撃は聞いていましたが、緑甲冑・赤甲冑とのコンタクト……。」


 私は不安を吐き出した。

「先程お話しした通り、『緑と赤』は私の心の中を言い当てたんです。これって戦闘になったらかなり不利なのでは……。」

「そうですね……。まあ相手の目的が山本の収奪しゅうだつなのであれば、取りえず山本そいつを何とかしなければなりませんね。」


 成程。それは一理あるかもしれない。

「でも、どうすれば……。」

「上に話しを通してからになりますが至急『隔離ユニット』を送りますので……あ。」

「どうしましたか?」


 蛯名さんはその場を立つとモニターから消えた。

 そしてしばらくするとまたモニターに映り込んだ。

「蟹江さんが戻って来ました。」

 おお、我が救世主がもうお一方ひとかたご降臨!

【人物紹介】※参考なので読まなくてもいいです。

 私(フィナ・エスカ)… 異世界に転生したら進化型ボーカロイドになっていた


【私のマネージャー】

 本田サユリ … 私のマネージャー。大学生。サナの姉。しっかり者

 本田サナ … 私のマネージャー。9歳。サユリの妹。歌が大好き


【本田家】

 本田トオル … 国際宇宙ステーションの研究者

 本田サエコ … 国際宇宙ステーションの研究者

 三好クレハ … 本田家の家政婦

 本田ススム … サナとサユリの叔父。トオルの弟


【サナの友だち】

 山梨ユキナ … サナの友だち。9歳。優しい。母は料理上手。兄にサダオがいる

 栗木ミナ … サナの友だち。9歳。元気。

 桃園マナミ … サナの友だち。9歳。おしゃれ。

 柿月ヨナ … サナの友だち。9歳。物静か。兄のユタカはアテナのマネージャー


【ファランクス】ボーカロイド4人のユニット

 アテナ・グラウクス … マネージャーは柿月ユタカ(ヨナの兄)

 メーティス・パルテ … マネージャーは星カナデ

 ニーケ・ヴィクトリア … マネージャーは春日クルミ

 ミネルヴァ・エトルリア(ミーネ) … マネージャーは大地ミノル


【私のナビゲーター】

 斎藤節子 … ナビゲーター。部長

 ナミエ … 正式名称C73EHT-R。AIポリスの特殊捜査隊隊長。

      新米ナビゲーター(仮)

 山本春子 … ナビゲーター(自称)。私の喧嘩相手


【株式会社3Dボーカロイド】略して3Dボカロ

<研究開発部>

 蟹江ジュン … 第1研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。2児の母

 蛯名モコ … 第6研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。

       美人。ヲタク。蟹江の大学講師時代の教え子


【株式会社ツイストーラス】フィナとファランクスが所属する芸能事務所

 小橋レイナ … 社長、代表取締役

 黒木ナナ … 副社長。1児の母

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