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売れない地下アイドル、転生す  作者: ぷぃなつ
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54 ボカロボットの性能

 さて、みんな行ってしまったし……一休みしようかな。

 今日は蟹江さんも出張だって言ってたし、ボカロボットのお礼メールでもしとこうか。

 私はあのメカをボカロボットと命名した。


 そう言えばファランクスのみんなにもボカロボ送ったって言ってたな。

 私は「ボカロボットのレプリカ出て来い。」と念じた。

 みんなに自慢するんだ~。


 すると、モニターに文字が表示された。


>参考までに。

>電脳世界仕様のボカロボットもボカロポイント1Pで出現させることができます。

 いかがいたしますか?

ちなみに等身大レプリカは4Pかかります。


「選択の余地なし!」

 私は電脳世界仕様のボカロボを出すことにした。

 ま、操縦の練習もできるしね!


 するとすぐ様テーブルの上に現実世界の物と全く同じボカロボットが現れた。

「うん。白とピンクでかわいい! ん?」


 よく見ると上部や左右の側面に溝のようなものがあり綺麗なカーブを描いている。

「何だろ、これ。」


 私は溝の間をよく見てみた。

「何か開けられそうなんだけどな。」


 私は爪を溝の中に入れてスライドさせようと試みた。

 しかし、その溝はぴくりとも動かなかった。


「何だろうな、この溝は……。」

 すると、ボカロボットから声が聞こえて来た。


「説明します。マスター」

「おお、いいところへ! これ何か意味あんの? この溝。」

「はい。この溝に沿って開閉します。頭部にはプロペラが、側面2箇所にはアームが収納されています。」


 押さえよ……まだだ、まだそのままで……。

「え? ちょっとそれって見られるのかな。」

「はい、それでは起動します。実際に動作を確認しますか?」

「あ、お願いします。」

「かしこまりました。」


 すると、頭部の円形部分がせり上がり、その隙間から折りたたまれていたプロペラが伸びきると回転を始めた。

「それでは浮上ふじょうします。」


 ボカロボがみるみる浮き上がったかと思うと、あちこちに移動しまくっている!

「おいおいおい! すっげーっ!」


「では、ボカロボットをマスターに近づけます。」

 ボカロボは私の近くまで来るとちゅうで停止飛行している。

「すんげ! まじ、すんげ!」


「それでは続いてアームを起動します。」

 私の目の前でボカロボの両サイドが溝に沿ってカパッと開き横に伸びた。


 更にそのアーム部分の先から各三本の円筒状の爪が伸びた。

 そして左右のアームが機械音を立てながら上下前後にかっこ良く稼働したのだ。


 目覚めよ! 今こそ! 我がヲタ魂よ~っ!

「こ、このアームってどうやって使うの?」

「それでは使用してみましょう。」


 ボカロボはコーナーのリンゴが入っているかごの近くまで飛んで行くと、そのアームを使ってリンゴをつかみ、私の前へと戻って来た。

 そして私にそのリンゴを手渡してくれた。


「これ、私が操縦してもできるんですか?」

「多少の訓練が必要ですが、慣れればもっと高度な動作も可能です。」

「いぃーやっほーっ!」

 ヤッホー! ホトゥラララ……あ。うん、これは止めとこう。


「この他に下部の八つの球体を使って陸上を移動することも可能です。」

「え? 八つの球体? それも収納されてるの?」


 底の部分は帽子にもなり得るような柔らかな素材でできている。

 よく見ると確かに八つの円形の切り込みがあるがここからどうやって球が出て来るのかな?

「それでは起動してみましょうか?」


 私はワクワクドキドキしながら言った。

「お願いします!」


「リニアシステム起動。」

 するとその円形上の部分が一気に膨らみ完全な球に変化した。


「おお、成程、空気圧で……。そして球形のタイヤをリニアで動かすか!」

 私にそれを見せる為、浮遊状態で底をこちら側に向けて起動してくれるとは、嬉しくって泣けてきますね。


「あなた、お名まえは?」

 もしかしてキット?


「私の名まえですか。えて言うなら、あなたが言うところの"ボカロボット"です。」

「ああ、そうゆう感じかあ。納得しました。」


「よし、じゃあちょっと乗り込んで練習しちゃいましょうかね!」

「かしこまりました。マスター。」

 私は一瞬にしてコックピットの中に座った状態になっていた。


 先ずはハンドルをこうね!

 アームは……ああ、このスイッチが沢山付いてるレバーを使うのか。

 うん。何とか動かせそう!


 それから三時間ほど、私は機体をあちこちにぶつけながら頑張った。

 その甲斐あって先程やってもらった動きを再現できるまでになってしまった。

 ひっひっひ。アテナ達に見せびらかしてやるぞ~!


 私は早速アテナに連絡した。すると、他の二人も丁度その場に居合わせていた。

 フッフッフ、三人とも私の凄テクに酔いしれるがよいわ!

【人物紹介】

 私 … 異世界に転生したら進化型ボーカロイドになっていた


【私のオーナー】

 本田サユリ … 私のオーナー。大学生。サナの姉。しっかり者

 本田サナ … 私のオーナー。9歳。サユリの妹。歌が大好き


【本田家・親族】

 本田トオル … 国際宇宙ステーションの研究者

 本田サエコ … 国際宇宙ステーションの研究者

 三好クレハ … 本田家の家政婦

 本田ススム … サナとサユリの叔父。トオルの弟

 中原トキノスケ … 母方の祖父。本田家の近所に住んでいる

 中原トワ … 母方の祖母。本田家の近所に住んでいる


【ファランクス】ボーカロイド4人のユニット

 アテナ・グラウクス … オーナーは柿月ユタカ(ヨナの兄)

 メーティス・パルテ … オーナーは星カナデ

 ニーケ・ヴィクトリア … オーナーは春日クルミ

 ミネルヴァ・エトルリア(ミーネ) … オーナーは大地ミノル


【私のナビゲーター】

 斎藤節子 … ナビゲーター。部長

 ナミエ… 正式名称C73EHT-R。AIポリスの特殊捜査隊隊長。新米ナビゲーター(仮)

 山本春子 … ナビゲーター(自称)。私の喧嘩相手


【株式会社3Dボーカロイド】

 蟹江ジュン … 第1研究開発部主任。2児の母

 蛯名モコ … 第6研究開発部主任。美人。ヲタク。蟹江の大学講師時代の教え子


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