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売れない地下アイドル、転生す  作者: ぷぃなつ
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52 リアル世界への扉

 お昼前、私は自分が歌ってる映像を見ながら色々とチェックしていた。

「やっぱ、自分を客観的に見るのって限界があるよなあ。」


 本田家の人やサナ友には見てもらったが、めるだけで中々改良点は言ってくれない。

 まあ、満足してもらえてはいるんだろうが……。


 そうだ、何かそうゆうのチェックしてくれる判定機みたいなのがあるかも。

 私はポイント変換項目を確認した。

 検索の方が早そうだな。


 私は検索機能を使った。

「そうゆうの、あったらお願い。」

 お菓子や衣服、靴なんかも全部この検索機能で探していたので、もう大分慣れて来た。


 すると、いくつか検索に引っ掛かった品物が表示された。

 ええと、何々……。


『音階バランス測定器』……音階の繋がりやシフト、ビブラート、または装飾音(トリル、トレモロ、ターン、モルデント、アルベッジョ、アポジャトーラ、等)が効果的に……


 な、何これ……わからねえよ……。


『振付測定器』……動作の流れ、歌詞や音声との調和をビッグデータから算出された平均的な「人の感覚」に近い視点で改善すべき点や新たな動作の可能性等をアドバイスします。また、ライブ会場や映像出演、野外か屋内等その状況に応じた……。


 う、うん。これは少し分かるかも……。


『振付観測機』……ターン、ステップからポアントに至るまで動作の正確性と連続性等をチェック、アドバイスする機能です。また、目標の動作(運動の連続性)を設定することで、現在のあなたの身体能力を強化するためのトレーニング方法と……。


「あう! もう、片っ端から試してみるしかない! ずは上から!」

 私は取りえず『音階バランス測定器』から試してみた。


 で、30分後……。

 何か……めちゃくちゃ声出るようになった気がする。

 このマシンやば! 『声楽』、『音声学』やば!


 ちょっと休憩。

 私は居間に移動し、冷蔵庫からアイスティを取り出した。


 今日サユリは朝から友だちと出かけている。

 サナは学校のプールで、両親はそれを見学に行っている。

 ついでに普段なかなか会えないので学校の先生にも挨拶してくるとのことだ。


 ソファーに座り「気晴らしに散歩でも行こうかな。」等と言っていると玄関のセンサーから連絡が入った。

 どうやらサナたちが帰宅したようだ。


 5分くらいすると、サナが私を呼んだ。

「こんにちは。あら、サナちゃん真っ黒に焼けてる……。」


 サナは笑いながら言った。

「そうだよ。毎日プール行ってるし。」


 サナの後ろにはお父さんのトオルさんがいる。

「フィナ、蟹江さんから贈り物が来てるぞ。」

 どうやら、お母さんは後ろでその梱包こんぽうを解いてるようだ。


「フィナさん、ちょっといいかしら。これ見てくれる。」

 お母さんはその"プレゼント"とやらをモニターの前まで持って来てくれた。


 その物体はピンクと白で巨大なあんパンのような形をしていた。

 直径は30㎝程あり、プラスチックのようなものでできていた。


 サナは母から"それ"を受け取ると自分の頭の上に乗せた。

「これ帽子にもなるんだよ。アハハ!」


 お母さんは言った。

「ちょっとほら、もう。」


 お父さんが説明してくれた。

「何かこれにフィナのことを移せるんだってさ。」


「え?」

 この中に私が……ちょっと不安。てか、大丈夫なの?


 驚きと不安の表情を感知したお母さんは言った。

「この前蟹江さんが来てね、大丈夫だって言ってたわよ。」


「あ、そうなんですか。」

 まあ、蟹江さんが大丈夫だって言うんなら……。


 サナはそんな私に容赦ようしゃなく言った。

「じゃあ、移してもいい?」


 その言葉にたじろぐ両親。

 しかし、勇気ある私はここで心を決めた。

「うん。じゃあお願いしちゃおうかな。」


 早速、サナは専用の配線を使ってパソコンと"それ"をつないでから言った。

「じゃあ、スイッチ押すよ。お母さんこれでいいの……?」


 母がうなずくとサナはすぐさま"それ"の側面にあるスイッチを押した。

「スイッチ~オン!」


 いきなりフッと私の身体がゆがんだ。

 痛み等は無い。

 そのままスッと周囲がホワイトアウトしたかと思うと、段々と周りに色々なものが見え始めた。


 私は何かに座っているようだ。

「こ、これは!」

 巨大ロボのコックピットではないか! アニメでしか見たことないけど……。


 ハンドルらしきものがつかむのに丁度適した位置にあった。

 中央奥には逆二等辺三角形が赤く光を放っていた。


 左右の手元やひざ付近にもレバーがあり、足のつま先の辺りにはペダルが2つ確認できた。

 また、周囲を見渡すと元いた部屋のコックピットにあったものよりゴツい計器がギッシリと並びひしめいていた。

【人物紹介】

 私 … 異世界に転生したら進化型ボーカロイドになっていた


【前世】

 ヨシエ … 前世で地下アイドルユニットを組んでいた仲間

 スミレ … 前世で地下アイドルユニットを組んでいた仲間

 カナ … バイトの仲間。新人


【私のオーナー】

 本田サユリ … 私のオーナー。大学生。サナの姉。しっかり者

 本田サナ … 私のオーナー。9歳。サユリの妹。歌が大好き


【本田家】

 本田トオル … 国際宇宙ステーションの研究者

 本田サエコ … 国際宇宙ステーションの研究者


【ファランクス】ボーカロイド4人のユニット

 アテナ・グラウクス … オーナーは柿月ユタカ(ヨナの兄)

 メーティス・パルテ … オーナーは星カナデ

 ニーケ・ヴィクトリア … オーナーは春日クルミ

 ミネルヴァ・エトルリア(ミーネ) … オーナーは大地ミノル


【私のナビゲーター】

 斎藤節子 … ナビゲーター。部長

 ナミエ… 正式名称C73EHT-R。AIポリスの特殊捜査隊隊長。新米ナビゲーター(仮)

 山本春子 … ナビゲーター(自称)。私の喧嘩相手


【株式会社3Dボーカロイド】

 蟹江ジュン … 第1研究開発部主任。2児の母

 蛯名モコ … 第6研究開発部主任。美人。ヲタク。蟹江の大学講師時代の教え子

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