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売れない地下アイドル、転生す  作者: ぷぃなつ
487/625

487 戦いは繰り広げられていたらしい……

 早見さんはパープルの言わんとすることをすぐに理解した。

「ご心配なく。フィナさんのことは私もよく存じておりますので。そうですね、フィナさん及びパープルさんは七天子と同じ扱いとさせていただきます。」

「恐れ入ります。」

「いえ、その七天子も行方知れずとなっている今、貴重な情報を提供してくださったことにむしろ感謝しています。本当に助かります。」


 皆、それを聞いて安堵あんどの表情を浮かべた。

 蛯名さんはタブレットを取り出しながら皆に尋ねた。

「私、今ここで出てきた情報を文書にまとめたいと思うんですが。」


 蟹江さんは笑顔でそれを承諾した。

「ああ、そうね。たくさんあり過ぎて私も混乱しちゃいそうだし、それは助かる。」

 皆もそのアイディアに賛同している様子だった。


 蛯名さんは皆の了承を得てニコリと微笑んだ。

「実は私もなんです。これから会議する時に口伝くちづてより文書化しておいた方が何かと便利だと思いますので。勿論もちろん、早見さんにも送らせていただきます。」

 そう言いながら蛯名さんは早速タブレットを操作し出した。


 早見さんは嬉しそうにお礼を伝えた。

「それは私としても助かります。ただ、どこから情報がれるとも分かりませんから、できればフィナさんの防御のもとで送信してくださると助かります。」


 蛯名さんは早見さんの言葉にうなずいた。

「そうですね。レジュメの作成もネットから切り離した端末を使用していますので。漏洩ろうえいの無いよう細心の注意を払います。」


 蟹江さんは蛯名さんにたずねた。

「今日うちらも午後一で会議よね。今のこと、皆に話した方がいいのかな?」


 それには空知副社長が返答した。

「今、自動運転システムのスタッフに原因を探ってもらってるんだけど、まさかこんな情報を伝えるわけにはいかないものね……。と、なると頼みの綱はここだけってことになるかしら。」


 蟹江さんはその話を聞いて納得した。

「分かりました。そしたら蛯名さん、こっちの分も作っといてもらえる? レジュメ。もし忙しければじるのくらいはこっちでやるから。」


 蛯名さんは「はい、分かりました」と返事をした。

「それでは本会議用とは別の冊子で作っときますね。あ、じるのはこっちでやりますので内容の確認だけお願いします。」


 蟹江さんはちょっと面倒くさそうな顔をした。

「あぁ、本会議もあんのか。時間かかりそう……。」


 早見さんは真面目な顔をして皆に伝えた。

「こちらの情報もお伝えしたいところなんですが、その為には上の許可をとらなければなりません。十時からの会議でそのことについてもお話しさせていただきますので、今は……申し訳ございません。」


 蟹江さんはいつもの笑顔でそれにこたえた。

「いいですいいです、その辺のところは分かってますから。それより無理なさらないでくださいね。こっちはこっちで協力させていただきますから。」


 早見さんは蟹江さんの気持ちを有難ありがたく受け取った。

「ありがとうございます。蟹江さんたちも無理はなさらないでくださいね。Z国の方針も今までとは明らかに変わって来ています。今の彼らは何をしてくるか分かりませんので。」


 蟹江さんはそれを聞いて顔を強張こわばらせた。

「あら、そうね。気を付けなくちゃ!」


 蛯名さんはハッと何かに気付いたような顔でこちらを見た。

「一つ確認しておきたい事があるんですが、ええと……これはパープルさんに聞いた方がいいのかな?」


 パープルはそれにこたえた。

「はい、何でしょうか?」


 蛯名さんは早速さっそくパープルに質問した。

「フィナさんの絶対防御が破られた件に関してなんですが、それについて今分かってることを教えてほしいんです。今後情報をやり取りする上で知っておきたいんです。」


 パープルは蛯名さんの懸念に同意した。

おおしゃる通りです。実は私からもお話する積もりでした。ただ、少し様子を見ていたのです。」


 蟹江さんは瞬きしながらパープルに尋ねた。

「あら、私たちの話が終わるのを待っててくれたの?」


 パープルはまたも意外な答えを返して来た。

「いえ、実は先程から複数回にわたってハッキングを受けておりまして……。」

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