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売れない地下アイドル、転生す  作者: ぷぃなつ
445/625

445 あり得ない話への導入

 和田は長野の話を聞いて目をいた。

「そんな、お二人でも遠く及ばないとは!  けどそうなると、あの会場にいた男の実力ってのは一体……。」


「あの……。」

 山形はそう呟いた後、玉木の方をちらりと見た。

 玉木は「どうしたの?」と言って首をかしげげた。

「さっき話を聞いてて思ったんですけど、あんなこと本当に可能なんですかねぇ……。」


 玉木は彼女の言わんとすることをすぐに理解した。

 何故なら玉木自身も同じような疑問がいていたからだ。

「ああ、それは私も思った。」


 山形はその疑問ついて説明した。

「例えばパソコンの中の動画や画像から彼の顔や姿を検出して即座にそれを消去するソフトを使ったとします。ですが警視庁のセキュリティは先の3Dボカロ社の協力もあってかなりの高性能となっています。それをくぐって、しかもこの数時間のうちにすべての画像を処理してしまうなんて不可能に近いんじゃないでしょうか。」


 長野は大きく頷きその意見に同意した。

「しかも早見室長のスマホまで処理されてたなんて……人間技とはとても思えませんね。いえ、皆さんのお話を信じていないわけじゃないんです。つまり、正攻法……通常のやり方では無理じゃないかということです。」


 早見は二人の疑問を聞いて一つ打ち明けなければならないと考えた。

「一ノ瀬総司令。彼女たちにあの話は……。」


 一ノ瀬総司令は早見の顔を見て彼女が3Dボカロ社のミーティングで見聞きした事実を三人に伝えようとしていることを理解した。

「まだ話してないわ。私もまだよく分かってなかったからね。今日のあれを見るまでは……。」


 玉木はここで早見が言おうとしていたことを言い当ててしまった。

「もしかして、ファランクス……ですか?」


 早見と一ノ瀬総司令は目を合わせた。

 一ノ瀬総司令は口を結びまばたきしながら一つうなずいた。

「ええ、その通りよ。よく分かったわね。」


 ややもって早見が一ノ瀬総司令の方を向き、そのことについて話してよいか今一度確認した。

「話しをすることは蟹江さんから許可をいただいてますが……お話してもよろしいですか?」


 一ノ瀬総司令は即時それを了承した。

「ええ、お願いするわ。事は急を要するわけだし、そううかうかもしてられないからね。」


 早見は一ノ瀬総司令が了承を撤回できるよう、少し間を開けてから三人の方を向いた。

「分かりました。それでは何処どこから話しましょうか……。」


 早見と共にそのミーティングに参加していた和田が口を添えた。

「あのミーティングであったことからお話すればいいんじゃないですかね。」


 早見は和田の方を見てこくりとうなずいた。

「そうですね。それでは単刀直入に言います。フィナさんとファランクスの四人は私たちと会話をすることができるんです。」


 ウーギスの三人は早見をじっと見たまましばし声を発することができなかった。

 早見は三人のその様子を見て無理もないと思いながら一言告げた。

「まあ、信じられないのも当然でしょうが……。これは事実なのです。」


 玉木はやっとのことで早見に尋ねた。

「それは、彼女たちが人間と同じ思考力を持っているということですか?」


 早見は自分の方を見ながらゆっくりとうなずく和田の動作を確認してから三人に告げた。

「ある意味そう取っていただいてもよろしいかと思います。私はフィナ・エスカさんと会話させていただいたんですが、それほどに彼女の受け答えは人間に近いものがありました。」


 和田もその時の様子を三人に話した。

「ええ、私も初めて彼女の会話を聞いたときには何かの冗談かと思いまして、思わす蟹江さんの顔をまじまじと見てしまったくらいです。しかも彼女、ソフトをインストールした直後から会話が可能だったそうなんです。もう、驚きを超えてその時何が起こってるのかすら、まったく分からなくなってしまいました。」


 玉木は自分たちの直感がどうやら当たっていたらしいことに我ながら驚愕きょうがくした。

 だが、それにもかかわらず新たな疑念が泉のごとくいてきたのだった。

「では、ファランクスの今日のパフォーマンスはプログラムによるシナリオではなくて、彼女たち自身の演技だったということでしょうか?」


 早見はそれについては知り得ないことを伝えた。

「すみません、私は黒い服の男に気を取られていて彼女たちのライブを見ていませんでした。」

【年表的なもの】※参考なので読まなくてもいいです。



今年   フィナ誕生(6月)、第二回夏フェス(8月)

1年前  猫キャット事件(1月)、ミネルヴァ、メーティス生誕(2月)

     アテナ、ニーケ生誕(3月)、ファランクス結成(4月)

     レミファーナ、市川電算事務所契約(春)

     渡サナエ生誕(春)、第一回夏フェス(8月)

     ファランクス、芸能事務所ツイストーラスと契約(冬)

     シュメール号が宇宙に浮かぶ巨大な物体を発見

2年前  チャンディ生誕(春)、ルンファー生誕(夏~冬)

     山倉ケン、ロストロン、ジャッカル、野口ミナコ、

     村山トウコ生誕(夏)

     ムーニャン、her-deatha生誕(冬)

     大地ミナミ永眠

     猫キャット事件に繋がる一連の恐喝事件

3年前  蛯名入社(4月)、猫山チエリ、カロン、ウーギス生誕(春)

     ハジュン現る(夏)、スミレ生誕(夏)

     田町ナイト、バグランド生誕(秋)

     Z国のハッカーチームzouoが冥土センケツに接触(冬)

     黒バット沈静化、新曲ストーリーストッパーが大ヒット

     3Dボカロ社、第6研から第8研を増設

4年前  SUMIKA生誕(春)

     紅カジン、黒崎ネム、紫苑ラヴィ生誕(秋)

     レミファーナ、米田コウジ、流山恋生誕(冬)

5年前  市川電算、紅音源システム、東央大が光音プロダクションを設立

     台場タエコ、南宮大講師就任(春)

     ソフト『3Dボーカロイド』一般販売(秋)

     神崎ノア生誕(秋)

6年前  蟹江、大学講師として蛯名と知り合う

     (講師は8年前から四年間、週一)

     ソフト『3Dボーカロイド』限定販売(秋)

     市川カナデ、市川ココナ生誕(秋)

     サイバーポリスから依頼されていたプロファイリングシステムが実用化

     蟹江、サイバーポリスの早見ライザと知り合う

7年前  白鳥入社(4月)、3Dボカロ社、第1から第5研に分かれる

     ボカロ協会発足

     黒バットの活動が顕著になる

     プロジェクトY、山本春子生誕。山本邪神子更迭(恐喝事件より)

     サイバーポリスから依頼されてプロファイリングシステムを考案

8年前  未木、龍崎入社(4月)、3Dボカロ社、第1から第5研に分かれる

     プロジェクトY考案、始動。山本邪神子生誕

9年前  ボカロ開発の高田音響開発株式会社がコスパルエイドの傘下となる

     高田音響開発を基盤にした『株式会社3Dボーカロイド社』創立

     蟹江、卯月入社(4月)

     高田音響開発から熊谷、午藤が続投で入社(4月)

     BTAF設立、黒バットによる攻撃が開始される

10年前 コスパルエイド社、高田音響開発社の高田ゲントウ社長と新たな

     プロジェクトを立ち上げる。      

     『株式会社3Dボーカロイド社』草案(春)

     高田ゲントウ社長永眠(冬)

     Z国の大改革が始まる

     巨大マフィア『デーモンズ』がGmUの支配下となる

12年前 ボカロ協会の前身である『ボカロ研究協会』発足。

     現ボカロ協会の副理事であり、高田ゲントウの娘でもある杉田サラは

     この頃からここに副理事として在籍している

     Z国がGmUの支配下となる(ハジュンはまだ来ていない)

     何故かこの頃から既にこの地球上にはバリアーが張られており、

     GmUは自在に侵略できなかった

     ウーギスの山形と長野(当時十歳)がZ国の施設に送還される

18年前 コスパルエイド社、初期のボカロを開発していた高田音響開発社に出資

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