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売れない地下アイドル、転生す  作者: ぷぃなつ
40/623

40 錚々(そうそう)たる顔ぶれ

 アテナからデータが届いた。

 これは先日頼んでおいた他のボーカロイドに関する資料である。



>フィナ様

>先日お約束していたデータを送付いたします。

>今話題になっているボーカロイドの一覧と映像です。

ちなみに一覧にある全員が夏フェスに参加予定です。

>お役に立てていただければ幸いです。


>追記

>先日のゲームでは惜敗せきはいきっしましたが、次は必ずや勝たせていただきます。ご容赦ようしゃを。


>アテナ・グラウクス



 いやあ、ホント負けず嫌いやな……。

 私は添付てんぷファイルを開きボーカロイドの一覧に軽く目を通した。

 どれどれ、ふむふむ……。



【ボーカロイド一覧】

 〇個人

  なまえ【クラス】性別/所属(業種他)

 ・市川ココナ【F】女 /(株)市川電算(電子機器、プログラム)

 ・市川カナデ【F】女 /(株)市川電算(電子機器、プログラム)

 ・神崎ノア【F】女  /(株)ノアボカロシステム(ボカロ)

 ・紅カジン【F】男  /(株)紅音源システム(音響)

 ・猫山チエリ【G】女 /(株)猫CAT(ゲーム、ボカロ)

 ・田町ナイト【H】男 /サークル:芝橋高専「夜のボカロ研究会」

 ・黒崎ネム【H】女  /サークル:クラリス通信制大学「ボカロアイドル研究会」

 〇団体

  団体名(メンバー【クラス】性別)/所属(業種他)

 ・バグランド

(レイ【G】女、イチコ【G】女、ニーナ【H】女、ミラ【H】女、ヨヨ【I】女、サツキ【I】女)/(株)バグランド(ボカロユニット)

 ・レミファーナ

(連ミサコ【H】女、三木レイナ【H】女、ファン・ランカ【H】女)

/サークル:東央大学「レミファーナ」



 クラスはF、G、H……それとIもいるんだ。

 サユリが言ってたココナとカナデも入ってるね。

 ふうん、同じ会社なんだ。って、クラス『G』から『F』に昇格してんじゃん!


 後は……。

 へえ、学生サークルも企業に負けず劣らず頑張ってるみたいだね。


 う~む、『覚醒』前のファランクスでさえクラスはNだったから、皆すごいね。

 あ、男のボカロもいるんだ。どんなんだろう……。


 うわあ、何かこれ見ただけでワクワクして来たよ。

 ボカロ界って思ってた以上に盛り上がってるんですな。いいよ、いいよ!


 さてと、じゃあ映像でも見ましょうかね。

「見せてもらおうか。お前たちの性能とやらを!」


 私はリンクをクリックしてボーカロイドの映像を見た。そして第一声。

「え、おい……マジかよ……!」


 そこには想像をはるかに超えた高レベルの『何か』が映り込んでいた。

「いやいや、こいつが特別なだけだよ……。」

 私は1人目を見終わるとすぐ様2人目のリンクをクリックした。そして……。


 見終えた。すべて。そこには真っ白に燃え尽きた私が……。

「……嘘……だ……ろ……。」


 いい気になっていた私は3メートルはあったであろう鼻っ柱をいとも簡単にへし折られていた。

「これ、私が知ってるボカロじゃないよ……。」


 あの……人を惹きつけてやまない異次元パフォーマンスの数々。

「こ、こいつらこそブースター使ってんじゃねえの? いやまじで。」


 これではブースターつけてるはずの私は一体……。

「こうしちゃいられませんよ!」

 私は自分を信じて、ひたすらレッスンに励むのだった。

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