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売れない地下アイドル、転生す  作者: ぷぃなつ
31/624

31 データは整理整頓しないとね

 メーティスのオーナーである星カナデはしばらくの間、喜びと驚愕きょうがくによる興奮に見舞われていた。


 カナデが少しずつ落ち着きを取り戻して来た時、どこからか聞いたことがある様で聞きなれない声がして来た。

「カナデさん! メーティス!」


 モニターに映り込んだのはアテナの姿だった。

 カナデとメーティスはアテナの覚醒した姿を見て気が付いた。

「もしかして、アテナも?」


 蟹江さんがカナデとメーティスに今までの経緯を説明した。

「ごめんなさいね。何か……巻き込んでしまって。一応元に戻せるとは思うんだけど……。」


 カナデは首を横に振った。

「いいえ、メーティスも喜んでいますし、私も嬉しいです!」

 蟹江さんはカナデの様子をうかがった。


「だって、大好きなメーティスとこんな、人間みたいに話せるなんて素敵過ぎます!」

「そお? 本当に大丈夫?」

「勿論です。メーティスのこんな凄い成長は想像してませんでしたけど……。こうなったのはきっと運命だと思います。」

「そう、それならよかった。」

 蟹江さんは一先ひとまずホッとして笑みを浮かべた。


 カナデの話しに呼応こおうするかの様にメーティスは自分の考えを述べた。

「カナデにそう言ってもらえるなら、私も喜んでこの状況を受け入れましょう。」


 カナデは嬉しそうに声をかけた。

「メーティス……うん!」


 アテナは横から割り込む様に話しかけた。

「良かった。カナデさん、メーティス、これからもよろしくね。ま、今まで通りとは行かないけど!」

 3人は笑顔を交わした。


 カナデは残りの2人について、私たちの計画に協力すると言ってくれた。

「柿月君とアテナが出した答えなら、私たちも協力します。」


 メーティスはうなずいた。

「ああ。確かにニーケとミネルバが私たちの様にうまく行くとは限らない。だが覚醒できればきっと私たちに賛同してくれるものと確信する。その為の協力は惜しまないつもりだ。」


 アテナはメーティスのこの言葉を聞いて自信を持った様だ。

「ええ、ファランクス存続の為にも2人の覚醒は絶対必要だわ。何としても成功させましょう!」


 明日の予定を確認した後、皆それぞれの場所に帰って行った。

 サユリも「今日はもう疲れた。明日もあるしもう寝るわ。」と言って部屋から出て行った。


「今日は私も早めに寝ようかな。」

 私は眠らなくても平気なのだが、睡眠中に蓄積されたデータを自動で解析、整頓することができる。


 今日は色々な事があったから解析すべきデータも膨大ぼうだいだろう。

 新しい何かが分かるかもしれないしね。


 私は寝室へ行きベッドに横たわると睡眠モードに移行した。



 ん……。ここは、夢?

「〇〇〇! 〇〇〇! 大丈夫!?」


 誰だっけ。聞き覚えがある声……。あ、ヨシエか……。

 どうやら、ヨシエが私の名を呼んでいる様だ。


「救急車! タオルでお腹を圧迫して!」

 ああ、スミレ……。こんな大きな声出るんだ……。

 みんな、元気でやってるかな……。

 ん? 涙……。


 私はハッと目が覚めた。

 涙が流れた様な気がしたが、どうやら気の所為せいだった。


 何だったんだろう。死ぬ間際まぎわの記憶かな?

 少しの間気にはなっていたが、今日はそうゆっくりもしていられない。


 私は居間に行き、ソファで朝食を取った。

 気持ちは既に夢から離れ現実を見据みすえていた。

「今日は2人目か。」

 私は成功を祈った。

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