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売れない地下アイドル、転生す  作者: ぷぃなつ
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251 二人の状況【他世界の話】

 GmUゲームの居場所が目視もくし出来た辺りからは、いつも通り敵との接触を避けながら通路を掘り進める作業となった。

 非天レイカたちは絶対防御領域を繰り広げながら慎重に進んで行った。


 そして、いよいよ研究室の前へと差し掛かった所でビーマから連絡が入った。

「今立っている月そのものがエウリュメドーンの本体です。そしてGmUはその研究所内のメインコンピューターの中に居ます。先ずはダイビング装置からお二人を救出してください。」


「分かりました。それでは私の後に付いて来てください。」

 クロートーは入口のロックを解除すると安堵のため息を漏らした。

「ふう、解除出来たわ。ここのデータを書き換えられてたら大分遠回りになる所だった。」


 ケラシスはニヤリと笑った。

「どうやら細部まで本物と変わらない様だな。今のところは。」


 五人は研究所の中へと入って行った。

 北守カズミは周りを見渡しながら言った。

「何だか私たちのいる研究所と雰囲気が似てるなあ。」


 海野ランは「そうだな」と言ってうなずいた。

「まあ、あの辺の建築物はGmUが直々(じきじき)に設計したらしいからな。それだけ重要って事だろう。」


 北守カズミは飛行速度を早めながら誰にともなく質問した。

「ここは歩かなくていいから楽ちんだな。あ、そうだ。あのけったいな防塵服は着なくていいのかな?」


 ケラシスは自信あり気に答えた。

「普通なら着なければならない。なんつっても粒子一つまでリアルに再現されてる訳だからな。けど今回は大丈夫だ。絶対防御領域からほこりが一つでも出る事は無い。」


 海野ランはニカっと笑って北守カズミの方を見た。

「その辺の調整はアット先生が上手くやってくれてるから安心していいよ。」


 クロートーは最後のドアのロックを解除した。

「ここに二人がいるはずです。」


 五人が中に入ると無数のダイビング装置が整然と並んでいた。

 北守カズミは広大な部屋を見回し驚きの声を上げた。

「うへえ、一体幾つあるんだよ! すげえ数だな。」


 五人はクロートーを先頭に奥へと進んだ。

 ダイビング装置の幾つかは稼働状態らしく、中は白いガスで満たされていた。


 北守カズミはカプセルを見回しながら聞いた。

「まさかこん中にモイラの先生やゼウスさんたちもいるって事?」


 ケラシスはまっすぐ前を向きながら答えた。

「ああ、恐らくな。その辺の記憶は残して来たからどれが誰だかは分からないが。」


 北守カズミは聞いてはいけない事を聞いてしまった様な気がした。

「あ、申し訳ありません。何か……。」


 ケラシスはただ一言返事をした。

「いや、気にする必要はない。」


 クロートーは前方を指さした。

「あそこです。あのアトロポスがマーキングしてくれた所に二人がいます。」


 そこには二つのダイビング装置が薄っすらと赤い光を放ってたたずんでいた。

 五人がそこに到着すると、ずはクロートーが装置の状態を確認した。

「うん、ちゃんと生きてるわ。ケラシスそっちの解除お願い。」


 ケラシスはもう一つの装置に近付いた。

「ああ、分かった。しかし、ここまで精密に再現されてると懐かしささえ感じるな。」


 クロートーは作業しながらニコリと微笑んだ。

「ふふ、あなたは特にね。さて、後は二人がこっちに帰って来るのを待つだけ……。」


 五人は周囲を警戒しつつ装置の反応を待った。

 しばらくするとケラシスが呟いた。

「時間が掛かってるな……。大丈夫か?」


 すると、ビーマの声が聞こえた。

「どうやら二人は四次元空間で確率的な存在にばらけてしまっている様です。今、私が修復中ですが……どうやら本人たちがそれを拒絶しているみたいなんです。」


 ゼウスは狼狽うろたえた。

「えぇ? 二人は何で拒絶なんかするんだい?」


 ビーマは目をつむり事情を探りながらそれに答えた。

「二人は現在何者かと交戦中で、この状態を保たないと戦闘を維持出来なくなるみたいです。」


 非天レイカはやや困惑した表情で尋ねた。

「敵? 一体二人は何と闘っているんですか……?」


 ビーマはそれに答えた。

「ちょっと待ってください。今探ってますので……。ん、これは……四次元生命体? いえ……ああ成程、これはハジュンのつくり出した幻覚の様なものですか。二人はそれにからめ捕られている様です。」

【人物紹介】※参考なので読まなくてもいいです。

 私(フィナ・エスカ)… 異世界に転生したら進化型ボーカロイドになっていた


【私のマネージャー】

 本田サユリ … 私のマネージャー。大学生。サナの姉。しっかり者

 本田サナ … 私のマネージャー。9歳。サユリの妹。歌が大好き


【ファランクス】ボーカロイド4人のユニット

 アテナ・グラウクス … マネージャーは柿月ユタカ(ヨナの兄)

 メーティス・パルテ … マネージャーは星カナデ

 ニーケ・ヴィクトリア … マネージャーは春日クルミ

 ミネルヴァ・エトルリア(ミーネ) … マネージャーは大地ミノル


【私のナビゲーター】

 斎藤節子 … ナビゲーター。部長

 吉田奈美恵(ナミエ) … AIポリス特殊捜査隊大隊長。ナビゲーター(仮)

 山本春子 … ナビゲーター(自称)。私の喧嘩相手


【株式会社3Dボーカロイド】略して3Dボカロ

<研究開発部>

 蟹江ジュン … 第1研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。2児の母

 蛯名モコ … 第6研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。

       美人。ヲタク。蟹江の大学講師時代の教え子


【研究員養成学校中等部 Z組】

<生徒>

 非天ひてんレイカ …… Z組を復活させた。大卒

 北守カズミ …… 格闘家。スポーツ好き

 香々美かがみフジコ …… 寝るの大好き。学年主席

 歌寺ミナモ …… 芸術家。アイドル

 蛇代へびしろヨウコ …… プロゲーマー。身長120㎝位

 鳥山イツキ …… 工作大好き。職人気質の超美少女

<教師>

 海野ラン …… 担任。青い瞳、ブロンドの髪

 みかどソヨギ …… 副担任、教務主任。おかっぱ、眼鏡を所持

<反乱軍オリュンポス>GmUから仲間を奪還し正常化を目指す組織

 ゼウス … 総司令。敗戦後ガイアの中に隠れ潜む。

 クロートー … ニュクス先駆隊。長身で細身。モイラ三姉妹の長姉。

 ケラシス … ニュクス先駆隊。屈強。モイラ三姉妹の次女

 アトロポス … ニュクス先駆隊。少女の様な見た目。モイラ三姉妹の末妹

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