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売れない地下アイドル、転生す  作者: ぷぃなつ
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248 必殺の技【他世界の話】

 ハジュンを退しりぞけグリミドとアーカレッドを救い出すかなめ

 鳥山イツキが言った『あれ』とは何か。

 彼女たちがこの実験に成功した時の行程は以下の通りだ。



<行程1>


 鳥山イツキが領域θ1(シータワン)内に固有能力スキル『異世界創造シータ』を使って異世界空間V0及びV1を創り出す。

 領域θ1(シータワン)とは元々彼女たちが居る仮想世界をθ0(シータゼロ)として、そこから一段階ずれた異世界空間の領域だ。



<行程2>


 二つの異世界空間V0及びV1にそれぞれ時限式の交換装置K0とK1を設置する。

 この時限式の交換装置は直径1㎞ほどの球状空間を保持し、そこには常に真空が保たれている。

 そして、時間が来ると1アト秒(百京分の一秒)に一度入れ替わりを始める。

 これらの交換装置K0及びK1は決して元の仮想空間θ0(シータゼロ)には移動出来ない様に設定しておく。

 また、異世界間の情報交換もこの交換装置を介して行われる。

(または、十三体のエリプスによっても情報交換は行われる。)



<行程3>


 鳥山イツキと香々美フジコは異空間V0へ、歌寺ミナモと蛇代ヨウコは異空間V1へとそれぞれ移動する。

 歌寺ミナモは能力スキル『回復の宴!』によって生じさせた回復空間で交換装置K1を包み込む。

 また、海野ランとみかどソヨギは全体を指揮し、ゼウスとモイラ三姉妹はフォローバックに回る。



<行程4>


 香々美フジコは異世界V0に移動後、特殊スキル『オルタレーション』で自身と鳥山イツキの身体ごと全V0空間に存在するヒッグス粒子とトップクォーク等の質量を変化させる。

 この時、全てが自分の味方となる能力スキル『フォロワーズ』が自動で発動。

 自身の身体やこの世界が崩壊しない様に全宇宙の物質や法則等がバランスを取れる様に変化する。

 この作業により異世界V0の真空は『真の真空』の位置を会得する。

 つまり、異世界V1及び元の仮想世界θ0に於ける真空は『の真空』へとおとしめられる。



<行程5>


 時間が経過し時限式交換装置K0とK1の交換が始動する。

 交換装置K0は当初異世界V0に存在しており『真の真空』を保持している。

 この『真の真空』が『偽の真空』を真空とする異世界V1に出現すると、真空の相転移、所謂いわゆる『真空崩壊』を引き起こす。

 つまり、『真の真空』は偽の真空世界に存在する周囲の物質を光の速さで崩壊させて行く。


 その為、歌寺ミナモはあらかじ能力スキル『回復の宴!』で生じさせた回復空間で交換装置を包み込んでおき、V0で崩壊した交換装置K1とV1で増大した交換装置K0を元の大きさに修復して行く。

 ちなみに一度(つまり1アト秒)で崩壊、又は増大する量はおよそ一千万分の3㎜の範囲だ。



<行程6>


 ゼウスたちが元の空間θシータ0の第四階層に敵(最初は一億体から)を設置する。

 但し、二回目以降の実験で元々敵がいる領域においてはそれを行わない。



<行程7>


 蛇代ヨウコが能力スキル『発信源が分かる』と『状態が分かる』及び『魔術・マーキング』を使い、元の空間θシータ0に出現した敵全体を把握マーキングする。



<行程8>


 鳥山イツキはそのマーキングされた敵をすべて異世界V1へと周囲の空間ごと入れ替える。

 これは下手を打って元の仮想空間θ0を真空崩壊させてしまわない為の安全策だ。

 交換装置K0及びK1は決して元の仮想空間θ0(シータゼロ)には移動出来ない様に設定されている為、θ0(シータゼロ)が真空崩壊で消滅する事はない。



<行程9>


 異世界V1では歌寺ミナモが能力スキル『百発百中!』を使って蛇代ヨウコがマーキングした敵のいる位置にこの交換装置を次々に移動させて行く。

 これにより、一回で直径1㎞の球と同じ体積を真の真空世界であるV0へ転送させる事が出来る。

 1回に費やす時間が1アト秒であるから1秒間で五十京回の転送が可能だ。

 真の真空世界V0に転送された敵は文字通り光の速さで溶けて行く。

 ちなみに交換装置以外の物質は香々美フジコの能力スキルで一方通行に制限してある。

 つまり、一度真の真空世界V0に放り出された敵は、交換装置と共に元の空間V1へ戻される事はないのだ。



<行程10>


 非天レイカと北守カズミは歌寺ミナモや蛇代ヨウコの能力スキルが効かない敵に対処する。

 が、今の所そう言った敵は現れていない。




 これはくまで基礎となる実験行程であり、例えば敵が師団級ならばこの交換装置の範囲を大きくしたり、数を増やしたり、または交換周期を遅めるなどして対応する。

 現にZ組の生徒たちは第四階層の敵に対してもこの方法を使って何度か実験を試み、成功を収めていた。


 始めは一師団、10の一兆乗の敵から始めたが、あっさりと成功してしまった。

 次に百師団、十万師団と数を上げて行ったがこれもすべて上手く行った。


 ただ、今回の敵は今までとは文字通り次元が違う。

 今までの実験では皆余裕があったのだが、ハジュンに対してはそう楽には行かないだろう。


 全員がぎりぎりの所まで力を出さなければならない。

 だが、余裕がないからと言って『真空崩壊』を利用したこの技を失敗させるわけには行かない。


 もし重大な事故が起きればこの仮想世界そのものが消滅してしまう事だろう。

 Z組の生徒たちは元の身体に戻るだけかもしれないが、ゼウスたち仮想世界の住人は回避しきれないかもしれないのだ。


 ゼウスたちが真空崩壊に飲み込まれた時にどの様な結果が生じるのかは分からなかった。

 だが、出来る事ならそう言った危険は避けたかった。

 その事は全員が認識しており、対ハジュン戦に向けての修練はその後、一か月間みっちりと続けられた。


 今回の敵はハジュン一体だけである事から、実験対象として主にギガースを選択した。

 出来ればアルキオネウスを除く十三壁にも挑戦してみたかったが、GmUゲームに勘付かれる可能性があったので止めておいた。


 勿論、敵はこちらの常識等お構い無しであろう。

 師団を遥かに越える多勢で来るかもしれないし、仮想空間をも凌駕りょうがする巨体で現れるかもしれない。


 非天レイカたちは想定し得る全ての場合に備えて実験を行った。

 こいつばかりは決して油断できる相手ではないのだ。


 その意味で言えば、普通ならこの計画がハジュンに筒抜けになっていてもおかしくはない所だろう。

 だが、そこはビーマが何とか情報をコントロールしてくれているらしかった。


 高次元生命体が物理的な干渉を行えば、この辺一体のリアルな多世界を全て消滅させてしまい兼ねないが、情報の操作であればある程度は可能だと言うのだ。

 つまり、ハジュンより高次元に位置するビーマであればゼウス以上の絶対防御が可能という事になる。

【人物紹介】※参考なので読まなくてもいいです。

 私(フィナ・エスカ)… 異世界に転生したら進化型ボーカロイドになっていた


【私のマネージャー】

 本田サユリ … 私のマネージャー。大学生。サナの姉。しっかり者

 本田サナ … 私のマネージャー。9歳。サユリの妹。歌が大好き


【ファランクス】ボーカロイド4人のユニット

 アテナ・グラウクス … マネージャーは柿月ユタカ(ヨナの兄)

 メーティス・パルテ … マネージャーは星カナデ

 ニーケ・ヴィクトリア … マネージャーは春日クルミ

 ミネルヴァ・エトルリア(ミーネ) … マネージャーは大地ミノル


【私のナビゲーター】

 斎藤節子 … ナビゲーター。部長

 吉田奈美恵(ナミエ) … AIポリス特殊捜査隊大隊長。ナビゲーター(仮)

 山本春子 … ナビゲーター(自称)。私の喧嘩相手


【株式会社3Dボーカロイド】略して3Dボカロ

<研究開発部>

 蟹江ジュン … 第1研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。2児の母

 蛯名モコ … 第6研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。

       美人。ヲタク。蟹江の大学講師時代の教え子


【研究員養成学校中等部 Z組】

<生徒>

 非天ひてんレイカ …… Z組を復活させた。大卒

 北守カズミ …… 格闘家。スポーツ好き

 香々美かがみフジコ …… 寝るの大好き。学年主席

 歌寺ミナモ …… 芸術家。アイドル

 蛇代へびしろヨウコ …… プロゲーマー。身長120㎝位

 鳥山イツキ …… 工作大好き。職人気質の超美少女

<教師>

 海野ラン …… 担任。青い瞳、ブロンドの髪

 みかどソヨギ …… 副担任、教務主任。おかっぱ、眼鏡を所持

<反乱軍オリュンポス>GmUから仲間を奪還し正常化を目指す組織

 ゼウス … 総司令。敗戦後ガイアの中に隠れ潜む。

 クロートー … ニュクス先駆隊。長身で細身。モイラ三姉妹の長姉。

 ケラシス … ニュクス先駆隊。屈強。モイラ三姉妹の次女

 アトロポス … ニュクス先駆隊。少女の様な見た目。モイラ三姉妹の末妹

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