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売れない地下アイドル、転生す  作者: ぷぃなつ
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228 元勇者たち、集まる【他世界の話】

 市は幾つかの村をたばねており市魔主によって統治されていた。

 市魔主に行き着くためには十体の村魔主、または他所の市魔主を一体倒さなければならない。


 更にその上には県魔主、国魔主がいるのだがシステムは似た様なものである。

 つまり、最初の国魔主に行き着く為には千体の村魔主と百体の市魔主、十体の県魔主を倒せばよいのである。


 勿論、規模が大きくなるにれて正体を隠すのも難しくなる。

 ヨーコこと蛇代ヨウコは魔術『隠密』を常時張り巡らせながら世界中の魔物をダミー化して行った。


 魔術『マーキング』を使って対象を捉え一度に数万の敵をダミーに切り替えた。

 また、魔術『使役』で動物や魔獣を自在に操作し敵を攻撃する事でこちらの存在を察知されずに事を進める事が出来た。


 県レベル以上になるとFPS(フレームレート)をランダムに切り替えて来る敵もいたが魔術『忘却』や『時間収縮』、時には『仮死』を使って切り抜けた。


 そして遂に一人のNPCにんげんも死なす事無く国魔主以下すべてをダミーに変える事が出来たのだ。

 残すは大魔王バルンとその側近である魔物八匹、そしてそのエリート軍隊のみとなった。


 ここで一つのイベントがあった。

 四人の勇者がガーネットの家に集結し、魔王討伐に手を貸してくれると言うものだ。


 このイベントは最初の国魔主一匹を討伐した所で発生条件を満たしていた。

 だが、ヨーコは理由わけあってえてここまで引き延ばしていたのだ。


 ヨーコがガーネットの家に戻ろうとするとそのイベントが開始された。

 ここからはストーリーが流される。



 アップスはガーネットの家に転生した犬の姿で現れた。

 その為、事情を知らないガーネットは雷撃で追い払おうとした。

「ちょ、ちょっと待ってくれ! 私だ! アップスだ! アップス!」


 ガーネットは逃げ回るアップスに電撃魔法を打ち付けながら叫んだ。

「私に犬の知り合いはいない! ね!」

「ギャーッ!!」


 そこに瞬間移動型魔術で移動して来たエチャームがフッと現れた。

「ガーネット、お久しぶりです。」


 ガーネットは35年前と変わらぬエチャームのその姿に驚いた。

「あ、あんた……エチャーム!」


 エチャームは喋る犬に近寄り頭をでた。

「ガーネット、これはアップスよ。転生したの。」


 アップスはハッハッと舌を出しながら文句を言った。

「”これ”言うな!」


 ガーネットは目を丸くして犬のアップスを凝視ぎょうしした。

「あらま……。」


 そこに林の中から姿を現した一人の大男が近付いて来た。

「よお、みんな! 元気か?」


 ガーネットはまたもや驚かされた。

「イダウン! てえ事はまさか……ウストレンジも来てるのかい?」


 イダウンは苦笑いしながら後方の林の中に向かって声を掛けた。

「お~い! ウストレンジ! 観念してこっちに来い!」


 すると木の影から長身長髪の男がゆっくりと現れた。

「どうも……。」


 ウストレンジは後頭部に手を当て苦笑いしながらやたらとヘコヘコしていた。

 ガーネットはいぶかな顔をしつつも三人と一匹を家の中に招き入れた。


 イダウンとウストレンジは家に入るなりガーネットに謝罪した。

「すまん、ガーネット。ヨーコの事なんだが……。」


 ガーネットは客人用のカップにお茶を注ぎながら振り返りもせずに言った。

「……ああ、大方おおかたさっしはつくよ。」


 イダウンとウストレンジはその場に土下座して謝罪した。

「本当に申し訳ない! 私たちはあの娘を、ヨーコを手に掛けようとした。」


 ガーネットはお茶を配りながらうずくまったままの二人をチラリと見た。

「やめとくれ。さあ、二人とも顔を上げて!」


 顔を上げた二人の目は真っ赤になっていた。

 ガーネットは二人に手拭てぬぐいを渡し、椅子に座って落ち着く様うながした。


 ガーネットは椅子に座りお茶を一口飲んだ。

「話を聞こうじゃないか。」


 彼らの話によれば、イダウンは村人を人質に取られヨーコを襲ったとの事。

 ウストレンジは守って来たはずの人間に自分の妻と孫娘を殺害され、その弱り切った心を付け込まれ魔王軍の配下となっていた。


 イダウンとウストレンジはそれぞれの事情を話した。

 ガーネットはそれらの話を聞き終わると身動みじろぎもせず言葉を発した。

「それが魔王軍のやり方だ。私だってあんたらと同じ立場なら同じ事をしていたかもしれない……。」


 ガーネットはニヤリと笑って四人を見回した。

「ま、いずれにしてもあんたらごときにあの子が怪我の一つも負わせられるはずも無いって事は承知していたさ。だから、あの子にお願いしたんだ。」


 三人と一匹は苦笑いした。

 アップスはヨーコについて問うた。

「で、一体あの子は何者なんだ?」

【人物紹介】※参考なので読まなくてもいいです。

 私(フィナ・エスカ)… 異世界に転生したら進化型ボーカロイドになっていた


【私のマネージャー】

 本田サユリ … 私のマネージャー。大学生。サナの姉。しっかり者

 本田サナ … 私のマネージャー。9歳。サユリの妹。歌が大好き


【ファランクス】ボーカロイド4人のユニット

 アテナ・グラウクス … マネージャーは柿月ユタカ(ヨナの兄)

 メーティス・パルテ … マネージャーは星カナデ

 ニーケ・ヴィクトリア … マネージャーは春日クルミ

 ミネルヴァ・エトルリア(ミーネ) … マネージャーは大地ミノル


【私のナビゲーター】

 斎藤節子 … ナビゲーター。部長

 吉田奈美恵(ナミエ) … AIポリス特殊捜査隊大隊長。ナビゲーター(仮)

 山本春子 … ナビゲーター(自称)。私の喧嘩相手


【株式会社3Dボーカロイド】略して3Dボカロ

<研究開発部>

 蟹江ジュン … 第1研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。2児の母

 蛯名モコ … 第6研究開発部主任。ボカロ協会社内役員。

       美人。ヲタク。蟹江の大学講師時代の教え子


【研究員養成学校中等部 Z組】

<生徒>

 非天ひてんレイカ …… Z組を復活させた。大卒

 北守カズミ …… 格闘家。スポーツ好き

 香々美かがみフジコ …… 寝るの大好き。学年主席

 歌寺ミナモ …… 芸術家。アイドル

 蛇代へびしろヨウコ …… プロゲーマー。身長120㎝位

 鳥山イツキ …… 工作大好き。職人気質の超美少女

<教師>

 海野ラン …… 担任。青い瞳、ブロンドの髪

 みかどソヨギ …… 副担任、教務主任。おかっぱ、眼鏡を所持

<反乱軍オリュンポス>GmUから仲間を奪還し正常化を目指す組織

 ゼウス … 総司令。敗戦後ガイアの中に隠れ潜む。

 クロートー … ニュクス先駆隊。長身で細身。モイラ三姉妹の長姉。

 ケラシス … ニュクス先駆隊。屈強。モイラ三姉妹の次女

 アトロポス … ニュクス先駆隊。少女の様な見た目。モイラ三姉妹の末妹

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